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「げ、突然呼び捨てとか、気持ちわるいんですけど」
「え、ひどくない?」
「あんた、ただの女ったらしでしょ?そんな奴が私になんのよう?」
「だーかーらー。助けてあげただけだよ?」
「だったらもう帰って」
「僕が帰ったら、また体が汚れちゃうでしょ?」
「黙れ、お前に言われる筋合いはない」
「ふーん。またそれでメロンパン食べて泣いて、疲れないの?」
「早く、消えて」
私は拳に力を込める。
なぜか、泣きそうだから。
涙をこらえる。
「泣きそうなら、泣いたほうがいいよ。溜め込むと後で爆発するから」
「そろそろ黙ってよ」
「ほら、泣けた」
私の目から、一粒の涙が零れる。
そこから勢いは止まることなく、加速していく。
声を押し殺し、その場にしゃがんで泣く。
「そのまま、スッキリするまで泣きな。僕は、ここにいるから」
――独りじゃない
そう思ったことで、涙は枯れることなく流れ続けた。
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Milky - 更新頑張ってください!! (2015年12月7日 22時) (レス) id: 15164c2cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリー | 作成日時:2015年12月2日 17時