召喚 2 ページ15
雪原エリア』
「サーヴァント、アサシン。召喚に応じ、参上した」
真っ白な軍服姿の老人が魔法陣から召喚される。しかしその部屋には一見老人以外の生物がいない。
すると老人はスナイパーライフルを取り出し、一本の柱に向けた。
「さて、誰だかわからないが私を前にして隠れるということは、敵ということでいいのかな？」
「わぁ英霊って凄いんだねぇ。ちょっと本気で隠れてみたんだけどバレちゃった」
柱の影から出てきたのはピエロの仮面をつけた不気味なほどにひょろ長い男、ナナシだった。
「僕が君のマスターだよ。よろしくねお爺さん」
「確かに魔力のパスが通っている。しかしまた、随分と奇妙なマスターなものだ。本当に人間か？」
頭を打っても死ぬかどうかわからん、と老人は呟く。
しかしピエロは気にせずに話す。
「そんなことどうだっていいじゃない。僕はナナシ。一緒にこの戦争(ものがたり)を楽しもうね、お爺さん」
雪原エリアにある小屋で、歪なその二人の戦いの幕が上がった。
「サーヴァント、ライダー。召喚に応じて参上したぜ。さてマスター、どこを征服すりゃあいい？」
「魔術なんかからっきしの俺でも召喚できるたぁ驚いたぜ...」
魔方陣から現れたサーヴァントを見て、髭面の中年が呟く。
「お？俺のマスターは軍人か。俺も軍属だったことがある。仲良くしようぜ？」
鎧を身に纏う、貴族風の中年男。この男こそが今回の聖杯戦争のライダーである。
「お、おう。よろしくな、ライダー」
「はっはっは！そう緊張するなってマスター。別にとって食うわけじゃあない」
気安い雰囲気のライダーと握手する。
(こいつ、常に薄笑いを浮かべてはいるが、いやに不気味だな...)
「俺はエーワー・ハウワード。この戦争に必ず勝とう、ライダー」
「おう！俺に任せておけマスター。どんなサーヴァントでも俺が打ち倒してみせよう！」
雪原エリアの中腹にある洞窟で、どこか自信家なライダーと魔術師ですらないマスター。その二人が手を取り、戦争の舞台へと上がった。
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作者名：名無し74519号 | 作成日時：2019年9月28日 20時
