キモチ satoshi ページ29
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『智さん...俺っ...』
あの日...夕方だったな。
俺は、家で一人絵を描いてた。
そしたら、インターホンがなって、モニターで見えた和くんが今にも泣きそうな顔して立っていた。
声も僅かに震えてて、ただ事じゃないなって思って急いで部屋にあげた。
入るなり玄関で俺に抱きついて来て、
俺は黙って抱きしめ返すコトしか出来なかった
暫くすると背中に回した腕をゆっくり解いて、いつもみたいに笑って見せるんだけどね...
俺、わかるよ？
和くんが泣きそうなのも、必死に笑顔作ってるコトも。
和くんとは、初めて会った時から凄く気が合って、すぐに打ち解けるコトが出来たんだ。
人見知りな俺の懐にそつなく入ってきた和。
見た目は幼い印象が強いのに、中身は妙に大人びていて...
でも、やっぱりまだ子どもだね。
リビングに連れて行って今度は俺から抱きしめた
すると小さな嗚咽とともに泣き声が聞こえて来たからずっと抱きしめていた。
こんなにも俺を信用してくれてたコト。
こんな風に俺を頼ってくれたコトが凄く嬉しくて。
ついでに愛情まで芽生えちゃって。
笑わせてあげたいって思って...
智「和くん...」
涙で潤んでいる瞳で
上目遣いで俺を見上げるキミのオデコに
そっと口付けた...
俺が君の悲しみもさみしさも全部埋めてあげるよ...?
俺が君を笑わせてあげるし幸せにしてあげるよ...?
俺、こんな気持ちはじめてだ...
和くんは最初驚いた顔をしたけれどすぐにふんわり微笑んで今度は俺の唇に和くんの柔らかいソレを重ねてきた...
これはね、俺と君だけの秘事。
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作者名：ゆい | 作成日時：2014年11月5日 16時
