◆□◆ kasu ページ3
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俺の父さんは再婚した
最初は死んだ母さんの代わりなんていない
認めたくない
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...なーんて思って、思いっきり嫌な態度で、可愛く無いことばっかり言った。
それなのに、この人はいつも優しい笑顔で受け入れてくれた。
俺が軽い気持ちで家出した時は俺を見つけると泣きながら怒って、本当に心配してくれたんだなって、俺まで泣きそうになったな...
まだ父さんと結婚して、一緒に暮らし始めて1、2ヶ月しか経ってないのに、いつの間にかその人柄の良さで仲良くなることができたんだ。
それが一週間前に、突然、新婚旅行に行こうと父さんが言い出して、母さんも嬉しそうに笑ってたから、行ってきなよって、俺一人で大丈夫だからって、言ったんだけど...
母さんはそんな、大事な息子をほっとけないって言って行くのを諦めようとしてたんだ
でも、俺は母さんと父さんで普段のことなんか忘れて、楽しんで来て欲しかったから必死に説得した。
そしたら、母さんは思い出したかの様に“ 翔 ”って人の事を話し始めた
暫く翔のところでも大丈夫？って言って来たから、本当は知らない人のところに行くより一人の方がよっぽどいいな、なんて思ってたけど、承諾したんだ。
翔さんは母さんの息子で、今は大学一年生で1人暮らしをしているらしい。
こんな人柄の良い人の息子なんだから、きっと良い人なんだろうな、なんて思いながらも、どちらかといえばインドア派で人見知りな俺を受け入れてくれるだろうか...などと、不安は大きかった。
今日、母さんの車に着替え程度しか入ってない鞄を抱えて乗り込み、翔さんの住むアパートへ向かった。
どんな人だろう？
優しい人だといいな
事実上は俺の兄さんになる人だから、仲良くできたらいいな
そんなことを考えながら窓の外を眺めていたら車が止まり、母さんが［着いたわよ]と微笑んだから、俺もつられて微笑み返し、車を降りた。
“ 櫻井 ”って表札のドアの前に立つ母さんの後ろに思わず隠れて、
心臓が煩いくらいなっているのがばれない様に少し俯いた。
翔さんと思われる人の声が聞こえて来た
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さぁ、新しい生活の始まりだ......
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作者名：ゆい | 作成日時：2014年11月5日 16時
