可愛い可愛い俺の弟 (ページ20)

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◆□◆ kazu ページ20

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電車で会場まで行くことになったんだけど、休みの日だから満員で...

翔さんを必死に追いかけてはぐれない様について行く

翔さんも俺を気にして時々後ろを振り向いてくれるから安心していたんだけど...

『わっ......いってぇ...あれ...⁈』

前から歩いて来た体格のいいオバさんは人をよけるということを知らないのか？
思いっきりぶつかって、よろけてしまっている間に人混みに飲まれて翔さんとはぐれてしまった

『どうしよ...翔さん...』

人混みに流されるままでどうすることも出来なくて必死に周りをキョロキョロして翔さんを探すけどどこにいるか分からない

どんどん不安になってきて
視界がボヤけてくる

『はぐれちゃった...』

中2にもなって迷子だなんて恥ずかしいし、不安でどうすることも出来なくなってポツンと呟いた俺の声は震えていた

泣いたら駄目だっ
男の癖にカッコ悪い

不安に押しつぶされて泣きそうになるのを堪える

すると、急に後ろから手首を掴まれた

『嫌っ...!』

ビックリして振り返ると....

「はぁっ、はぁ...やっと見つけた」

眉をハの字に下げて
額には汗を浮かべて
折角セットした髪の毛も乱れてしまっている翔さんが俺の腕を引き寄せて抱き締めた

『しょおさっ...』

翔さんの顔をみたら安心して涙が出てきてしまった

「ごめんな？もう大丈夫だからな？」

翔さんは俺の肩を抱いてホームまで連れていってくれた

電車に乗ってからも、俺がはぐれてしまわない様にって、満員電車だからバレないよって俺を抱き締めて乗った

俺は翔さんの胸に顔を埋めてぎゅうと抱き付いて、翔さんは俺の腰に腕を回して離れない様にって優しく微笑んでくれた

少し過保護な翔さん...
俺だけの兄ちゃん

兄ちゃんって言葉に胸がチクリとするコトにはまだ気づかないフリをしよう