可愛い可愛い俺の弟 (ページ13)

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□◆□ sho ページ13

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和を送り、俺も大学へ向かう

少し早いけど、まぁいいだろう

朝からテンションが上がってるし、

本当に可愛かったなぁ...あのちっこい手でギュッと俺の腰に抱きついて

ニヤけながら運転してたとか和にバレたらなんて言われるんだろ？笑

送り出す時なんか頭を撫でてやったら無意識かもしんねーけど可愛らしく微笑むんだから

無意識であの可愛さだとしたら怖いな、笑

和は素直で本当にいい子だ

大学に着くと、敷地内にあるアトリエに向かう

きっと智くんがいると思うから

確か、今週中に作品を描き上げなきゃ個展に間に合わないって言ってたから

智くんには凄い才能があるんだ。
だから、たまたま出したコンクールであっさり賞をとると、その才能を買っていつの間にかスポンサーがつくほどになった。

智くんの描く絵は本当にどれをみても凄い
画力も芸術的感性もない俺とは大違いだ

ここ最近、授業以外はずっとアトリエに籠ってるって先生から聞いてたから、俺は迷い無くアトリエに向かう

中に入ると、凄く真剣な眼差してキャンパスに向かってて、俺は音を立てない様に入り口付近で様子を眺めて居た

暫くすると智くんは俺に気づいて、いつもの優しい笑みを浮かべる

「来てたんだ、声かけてくれればよかったのに」

肩を竦めてふにゃんと笑う

「だって、集中してたし、智くんの邪魔なんか出来ないよ～」

「邪魔なんてこと無いのに～」

智くんの隣に座りキャンパスを覗く

そこには幻想的な海の世界が描かれていて
楽しそうに魚達が泳いでいる

「ふふ、智くんは本当に海が好きだよな」

智くんの描く絵は人をあったかい気持ちにできるものばかりだ

人柄の良さが滲み出る様に絵から伝わってくる

「うん、気がついたら海を描いちゃってるんだよ」

2人してクスッと笑った

すると智くんはいつもの優しい眼差しで俺を見つめる

「翔くん、何かいいことでもあったの？」

「えっ？どうして？」

「ふふ、顔に書いてあるよ」

「実はね、いいことあったんだ...」

そう言って和を思い出すだけで頬が緩む

「ふふ、聞かせてよ～」

智くんにはちゃんと話そうと思ってたからちょうどいいと思って、昨日から今朝のことまで全て話した

「そうなんだ～、俺もその子に会ってみたいな」

「いいよ？今度うちに遊びにおいでよ！」

「うん、そーする！取り敢えず、個展終わってからね？」

「おう！」

凄く穏やかな気持ちになれた

幸せだなぁ、
和にも話さないとな

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