可愛い可愛い俺の弟 (ページ12)

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◆□◆ kazu ページ12

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学校の近くまで来るとバイクを止めた

「ここからなら歩いて10分もかからないだろう？一人で行けるか？」

校門までバイクで行かなかったのはきっと翔さんの優しさだ

バイクで登校なんてしたら目立つし、そもそも親が再婚して兄が出来たなんて学校の友達に誰にも話していない

変に思われない様にと、自然に気遣ってくれた優しさに改めてこの人が兄貴になってくれて良かったと思った

『うんっ！大丈夫だよ！ありがとね、翔さん』

バイクから降り、ヘルメットを返した

「いいよ、これくらい。じゃあな？いってらっしゃい！」

俺の頭をくしゃっと撫でて翔さんは微笑み、再び走り出した

『朝、髪の毛セットしたのにな...』

なんて文句いいながらも頬が緩んで、ささっと手でなおす

走り去っていく翔さんの姿が見えなくなるまで見届けると、学校に向かって歩き出した

新しい生活は上手く行きそうだ

学校についてもまだ時間があったから屋上へ向かった

俺は屋上が好きだ
一人でゆっくりできるから

青空を見上げて寝転ぶ
俺はこうやって空を見上げるのが好きだ
心が浄化されていく様で

俺が屋上に来てから少し後に同じクラスで、一番仲がいい友達が入って来た

『潤くん、おはよ』

「あぁ、和、おはよ』

ふわっと微笑みかけて俺の隣に寝転んだ

潤くんとは一年生の頃から同じクラスで、
屋上に行くためには鍵が必要。
何故か潤くんはその鍵を持ってた

何度もどうして持ってるの？って聞いたけど教えてくれないんだ

昼休憩になるといつも一緒に屋上に行って昼食をとるのが日課になっていた

潤くんは優しいし、かっこいいし、頭もいいし、とにかくモテるんだよな...

彼女が居たら申し訳ないと思って一回

『俺とじゃ無くて、彼女とご飯食べたら？』

って言ったら、

「彼女なんていねーし、いらねーし、それとも、和は俺と一緒が嫌なのか？」

なんて眉を下げながら言うもんだから慌てて否定したのを覚えてる

男の俺から見ても潤くんはかっこいいし、憧れでもある

だから、潤くんのこと、大好きなんだ

ぼんやり昔のことを思い出して居たら潤くんが俺の顔を覗き込んで居た

『えっ...?!なにっ⁇』

「ほら、やっぱりね、聞いてないのかよ～」

『ごめんごめん！それで、なに？』

「ん～、やっぱいいわ～笑」

『なんだよそれ！笑』

潤くんと一緒にいると、自然と笑顔になれるんだ

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