051. ページ1
・・・
正直、気が気でない。
さっきからずっとゆずるくんの隣に安藤さんが座っているからだ。
まさか、安藤さんが来るとは思ってもみなかったし、
でもまあ、濱家さんが誘ったんなら文句は言えない。
それに、私の為に集まってくれた人達に迷惑をかけるようなことはしたくない。
ﾘﾘｰ「あれ、ええんか」
小さな声でこそこそと言われても、
私の彼氏だから離れてよ！！なんてことは言えない。
だって、そんなので場の空気壊したくないから。
盛山「Aも行ってきたら。ゆずるさんの隣」
『いえ、遠慮します…』
盛山「そんな嫌そうな顔してんのに？」
ゆずるくんがおつまみを作りにｷｯﾁﾝに立つと「私も手伝います」なんて言いながら後ろをついていく安藤さん。
ﾘﾘｰ「まぁ、ゆず兄はAのこと好きやから、大丈夫やとは思うけど、見ててええ気はせえへんよな」
盛山「でも言ってはるやろ、Aが彼女やってこと」
ﾘﾘｰ「多分な」
私を挟んでそんな会話が繰り広げられるも、全然入ってこない。
穴が開くほど見つめてしまうのは、
ｷｯﾁﾝで楽しそうに立つ二人の姿。
どうしよう。
ゆずるくんが安藤さんのこと好きになってしまったら。
ﾘﾘｰ「……」
なんて考えてたら目の前が真っ暗になった。
『え！？なんですか！？』
ﾘﾘｰ「もう見んでええって」
『ちょ、手どけてくださいって！』
ﾘﾘｰ「………」
『見ないです！見ないですから！』
パッと離されたと同時に明るい光が入ってきて、眩しく感じる。
ﾘﾘｰ「………Aが心配してるようなことはないから」
『……』
ﾘﾘｰ「ゆず兄は、ちゃんとAのこと見てるから、安心し」
『………なんかいつになく真面目ですね』
ﾘﾘｰ「俺もたまには真面目」
盛山「いつも真面目にしてほしいわ」
河井「Aー！今俺これ作ってんけど、食べる？」
なんて言いながら笑顔でこちらに料理を差し出してくれる。
河井「めっちゃうまくできたわ」
ﾘﾘｰ「俺もらいます！」
河井「はぁ？無理」
盛山「じゃあ俺がもらいますわ！」
河井「無理やって。お前らはAが食べてから」
『ふふ、ありがとうございます！』
確かに、不安になる要素なんてないのかも。
『いただきます！』
川西「Aちゃんってほんま美味しそうに食べるよなあ」
河井「作った甲斐あるわ」
・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 512人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KaZu | 作成日時：2022年3月30日 16時
