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時計を選び、「俺も一緒の買おうかな」という盛山さんを全力で止めた。
でも、朝から付き合ってくれた盛山さんにはほんとに感謝しかない。
『今日はほんとにありがとうございました！』
盛山「いやーよかったわ、ええの選べて」
『私の奢りなんで、好きな物食べてください！』
盛山「ゆずるさんに怒られそうやからムリ」
『ここは引けません！』
なんて押し問答。
でも私もここは負けられない。
盛山「………とりあえず、頼もか」
『……そ、そうですね…』
一旦休戦。
頼んで少しして届いた美味しそうなご飯を食べ、一息ついたときに盛山さんが席を立った。
盛山「ちょっと喫煙室行ってくるわ」
『はーい』
荷物があるから席は離れられない。
盛山さんがたばこから帰ってきたらﾄｲﾚ行くフリしてお金払ってしまおう。
〜〜♪
ポケットに入れていた携帯にメッセージが届いたらしい。
ﾘﾘｰさんからだ。
”今日行けそうにない…”
『あ、ﾘﾘｰさん来られへんねや』
多分仕事が長引いたとかそんなところだろう。
仕方のないことだから気にはしないけど、あれほど来たがっていたからショック受けてそう。
盛山「ﾘﾘｰ来られへんってー」
『あ、おかえりなさい。私にも今連絡きました』
盛山「あんなけ絶対行くからな！！って言うてたのにな」
『確かに。…私、お手洗い行ってきますね！』
盛山「はいよー」
なんて言って、こっそりレジにいた店員さんに声をかける。
『あのーすみません、あそこの席のお会計お願いしたいんですけど…』
「かしこまりました！」
『……』
「あれ、…そのお席のお会計はもうお済ですね。」
『えっ、ほんまですか…？』
「はい。…ご一緒に来られた男性が先ほど」
『えーあー、そうですか、ありがとうございます。』
………やられた…！！！！
たばこはフェイクか…！！！
いや、ほんまに吸いたかったんやろうけど、
その時に支払い終わらせてたとか…やってもたー！！！
『盛山さん』
盛山「ん？あ、そろそろ出よか」
『お会計…』
盛山「あ、ええで。さっきしといたから」
『もー！！！私が払うって言ってたじゃないですか！』
盛山「そんな年下の女の子に出してもらわれへんわ」
『………』
盛山「ﾄｲﾚ行くーって言うて払うつもりやったんやろうけど」
『……ばれてる…』
盛山「大切な妹分とご飯来てるところくらいかっこつけさせて」
『………ご馳走様です』
・・・
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作者名：KaZu | 作成日時：2022年1月4日 23時
