026. ページ26
・・・
結局ゆずるくんが折れて、見取り図のお二人は泊ることに。
河井「Aは寝る時この部屋で、中から鍵かけて寝て」
『え、あ、はい』
盛山「そんな厳重にせんくてもええやないですか」
河井「お前はええねん。問題はﾘﾘｰや」
現在シャワーを浴びているﾘﾘｰさん。
ﾘﾘｰさん以外は先にお風呂を済ませ、もう寝る準備も万端。
河井「盛山、お前ﾘﾘｰが裸で出てこんように見張っといて」
盛山「流石にしないでしょ」
河井「わからんやんけ」
盛山「はーい」
盛山さんはめんどくさそうに浴室へと向かう。
河井「はあー、Aと二人で過ごす貴重な時間が…」
『当分ここにいますし、そんな落ち込むことでは…』
河井「せやけどさー」
あんまり納得のいってない様子。
河井「…そういえば、今日お酒飲みたいって言わんかったな」
『あー』
飲もうと思えばいつでも飲めた。
酔っぱらってしまっても、ここで寝れるし。
でも、それをするとまた迷惑をかけてしまう。
…それに、私もほんとは二人で過ごすの楽しみにしていたし。
『…後片付けとか、手伝わないとって思ってたので』
河井「今度、次の日が二人とも休みの日に家で飲もか」
『え！？』
河井「介抱はしたるわ」
『やった！！言質とりましたからね！忘れないでくださいよ！？』
河井「はいはい」
嬉しさにひとりはしゃぐ私の頭を優しく撫でる。
それが心地よくて、あーずっと撫でてほしいなあーなんて思うけど、後ろから聞こえたﾘﾘｰさんの声に現実に戻される。
ﾘﾘｰ「……俺らおるの忘れてません？」
『や、これは、違うくて！！』
河井「俺んちやねんから、自分の彼女の頭撫でてもええやろ」
そう言いながら撫でるのを辞めない手を掴んでどけようとするも、敵わない。
なんでこんなに力入れてんの！？
盛山「うわー、ゆずるさんの意外なとこ見た気する…」
『めっちゃ引いてるじゃないですか』
河井「はい、Aはもう寝る時間やで」
『え！？早くないですか！！？』
河井「ほら入って鍵かけて」
言われるがまま、部屋に入れられた。
と思ったらゆずるくんも中に入ってきて、鍵をかけた。
『え、ゆずるくんもここで寝るんですか？』
河井「んーそうしたいのはやまやまやけど…」
ゆずるくんの顔が近づいてきて、
河井「ん、おやすみ」
『へ、あ、おやすみなさい…』
触れるだけのキスをされたと気づいたのは少しあとになってから。
・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 400人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KaZu | 作成日時：2022年1月4日 23時
