021. ページ21
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相手は芸能人で、私は一般人。
こういうことに関しては、色々と気をつけなければいけないことも分かっている。
…ただ、隠すつもりはないという気持ちも、わからないではない。
河井「……俺さ、一緒に住みたいなってずっと思っててん。でも、Aは大阪での仕事好きやろうし、楽しそうやし、東京おいでやとかどうしても言われへんかった。…やから、期間限定かもしれんけど、一緒に住めるのめっちゃ嬉しいねん。」
照れながら「せやから」と続けた。
河井「…3週間いっしょに住んでみて、考えてくれへん？俺と、同棲すんの。」
『……そうですね』
河井「よし、決まりな！」
子供のように無邪気に笑う姿に、思わず笑ってしまう。
河井「なに笑ってんねん」
『いやなんか、子供みたいだなって』
河井「はあ？」
『ゆずるくんの、良いところです。』
河井「……あー、来週からある意味しんどいな」
『やっぱりやめときましょか？』
河井「いや、そういうことじゃない。」
『病院行きます？』
河井「お前そのノリやめろって」
ムッとした顔もかっこいいなんて思ってしまうから、私もなかなかやばいかも。
河井「今日は？どっか泊まんの？」
『今日は大阪帰ります』
河井「そっか。気をつけてな」
『…あれ、今日は寂しがりやさんじゃないんですね？』
河井「うるさい。……来週から毎日会えるから今日は大丈夫や」
『なるほど』
河井「ほな、そろそろ俺次あるから行くわ」
『わかりました』
2人で一緒にカフェを出た。
河井「今日は駅まで送っていけんでごめんな。」
『大丈夫です』
河井「行ってくるわ」
『はい、いってらっしゃい』
ゆずるくんは、立ち止まって少しなにかを考えているようだった。
やっぱり、寂しいのでは？
そんなことを考えていると、少し低めの声で「…なあ」と声をかけられた。
『はい』
河井「……もっかい、名前呼んで」
『は、はい…？……ゆずるくん？』
河井「はあー、今日一日頑張れるわ」
『え、』
河井「ありがとうな」
『いえ、名前呼んだだけなんで…』
河井「名前呼ばれるんが、こんなに嬉しいことやと思わんかったわ」
ニッカリと笑う姿に、こちらが照れてしまう。
『…さらっとそういうこと言ってくる所、駄目だと思います。』
河井「なにそれ」
『そのまんまの意味です』
名前呼ぶ、そんなちょっとしたことで喜んでるゆずるくんを見送って大阪へと帰った。
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作者名：KaZu | 作成日時：2022年1月4日 23時
