可愛がられるあの子は劇場スタッフ。 (ページ41)

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河井ゆずる今日夜時間ある?
ありますけど…今日東京帰るって言ってませんでした?
河井ゆずる明日の朝いちで帰ることなってん。

なんてメッセージのやり取り。

大丈夫なのかなあ、何の用だろうか、とか。

今うちに来るのはまずいのでは、と思って連絡入れてみるが返信はなし。

予定の時間になっても河井さんからの連絡はなくて、
仕事忙しくて、これなくなったのかなって思っていたら、
家のチャイムが鳴った。

扉を開けると、急いできたのか息も髪も乱れた河井さんがそこにいた。

『え、どうしたんですか！？』

河井「仕事長引いてもうて…」

『と、とりあえず入ってください』

お茶を出して、河井さんが話し始めるのを待つが、
どうも沈黙が長い。

『あーえっと、あのーなにかありました？』

河井「……」

『あ、テレビでも見ます？』

河井「…真剣に聞いてほしい」

『は、はい…』

河井「まず、俺のせいでこんな状況になって、苦しませてごめん。」

『え、』

河井「あの時のあの行動がなければこんなことにはならんかった」

じっと目を見て真剣に話す河井さんから目が離せない。

河井「でも、Aとはこれからもああいうことできる関係でいたいと思ってる。」

『ああいうこと…？』

河井「……頭撫でたりや！言わせんな恥ずかしい…」

『あ、ごめんなさい…』

河井「…だから、その…あれや…あの……」

珍しく言葉に詰まる河井さんがおもしろくて少し笑うと、キレられた。理不尽。

河井「あーもう！！俺は！Aのことが好きやから！！！」

『へ？』

河井「だから、俺と付き合ってほしい！！！」

『……え、なに、そんな大声で言ってるんですか…どっきりですか？見取り図のお二人がどっかから見てます？』

河井「ちゃう。真剣に言ってる」

『ほ、ほんまですか……？』

河井「堂々とAといられるようになりたい」

そう言う河井さんの顔は真剣そのもで。
冗談ではないということがわかる。

『い、いやでも、河井さんには、もっと素敵な人が、』

河井「そう言うと思った。でも、俺の気持ちは今伝えたから」

『………』

河井「Aの気持ちが聞きたい。今すぐじゃなくていいから。」

私の気持ち…
そんなの一択に決まってる。

でも、私なんかが…。

河井「俺が芸人で、とか今そんなこと関係ないから。一人の男としてどうなのか、教えてほしい」

・・・