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yuzuru.side
川西「じゃあ、俺は帰るわ」
河井「え！？」
川西「俺明日朝早いから」
そういわれたら引き留めるわけにも行かなくて、俺はしぶしぶ賢ちゃんを見送った。
Aが寝てるのをしっかり確認して、ご飯やお風呂を済ませた。
河井「それにしてもほんまに起きへんなあ」
ベッドに寝転がるAは気持ちよさそうに寝息を立てている。
…あとちょっとしたら大阪帰ってまうねんな。
そう考えたらちょっと寂しいかも。
………あかん、これまたAにからかわれるわ。
俺は東京で、Aは大阪で。
仕事で大阪に行くことも多いけど、毎回劇場に行くわけではないし。
毎回会えるわけでもない。
東京にすぐ帰らなあかんことも多い。
色んな事を考えたら、俺はAに気持ちを伝えるべきではない。
多分困らせるだけやし、Aのことやから、俺にはもっと素敵な人がおるとか言って断ってきそうや。
……多分っていうか、確実に。
長いこと一緒におったからあいつの性格はわかってるつもり。
河井「……俺がこんなに悩んでるなんて、お前は気づいてへんねやろうな」
少し頭を撫でてやると、気持ちよさそうにすり寄ってくる。
河井「なあ…大阪ではちゃんとやってんのか？…困ってることとかないか？今までみたいにすぐに駆け付けてやれんけど、なんかあったら連絡して来いよ？」
こんなん、寝てる相手に言ってもしょうがないねん。
わかってんねんけど、どうしても言ってしまうよなあ。
河井「………俺な、お前に笑われると思うけど、……Aがおらんくて、ちょっと寂しいわ…。劇場行ったらな、おらんってわかってんのにA探してまうねん。…楽屋に扇風機ないと、いつもちゃんとｾｯﾄしてくれてたAを思い出すねん。…どこ行っても、何食べても、心の片隅にずっとAがおった。……やから、お前が急に東京の劇場におった時はほんまに心臓止まるか思うくらいびっくりしたし、……めちゃくちゃ嬉しかってん。」
あの時はマジで自分の目を疑ったな。
ついに老眼かと思ったもんな。
河井「そんくらい、お前は俺にとって大切やねん。やから、……いつか、この気持ち伝えてもええか…？」
ほんまに、こんなん寝てる時に言うとか、いい年したおっさんがこんな女々しいことして笑えるわ。
よし、俺も寝よかな。
明日は朝起きてご飯作ったらな。
あいつ甘いの好きやからなー。
朝にｺﾝﾋﾞﾆでも行くか。
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作者名：KaZu | 作成日時：2021年4月26日 23時
