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yuzuru.side
タクシー捕まえて、とりあえず俺の家まで運んだはいいものの、どうするか…。
河井「……あ、もしもし賢ちゃん？急にごめんな」
川西「どうしたん」
河井「あー、ちょっといろいろあって、俺んち来れる？なんか一人やとどうしたらいいかわからんわ」
川西「なにそれどうゆうこと？……行けはするけど。」
河井「……着いてから話すわ」
なんて話をして、少し待つと賢ちゃんが来てくれた。
いきなり連絡したのに来てくれるとかほんま助かるわ。
川西「え、ちょっと待って、なんでAちゃんおるん！？」
河井「話せば長くなるねんけど…」
ここまでのいきさつをざっくり話して、
ここから本題。
河井「俺はどうするのが正しいと思う」
川西「いや、普通でいいやろ」
河井「Aに変な誤解とかされへんか」
川西「ちゃんと説明したらわかってくれるやろ」
河井「襲われたかもーとか思われへんかな…」
川西「なんやゆずるらしくないな。」
河井「……嫌われたないからな」
川西「ほんまAちゃんのこと好きやなー」
その言葉を聞いて少し恥ずかしくなる。
その通り、俺はAが好き。
もちろん一人の女性として、ってこと。
で、それを知ってる唯一の存在が、賢ちゃん。
河井「……言わんといて」
川西「いつから好きなんやっけ？」
河井「んー、気づいたら好きやったけど、…多分初めて会ったときちゃうかな、今思えば」
川西「劇場で？」
河井「あー違う違う。あれ、言ってなかったっけ？俺あいつが劇場にスタッフとして入ってくる前に一回会ってんねん」
川西「え、なにそれ聞いてへんで」
河井「俺がな…」
そこまで話して少し離れたところで寝ているAがこの話を聞いてないか不安になった。
川西「ぐっすり寝てるから大丈夫やって」
河井「せやな。」
川西「で、いつ会ってたんよ」
河井「そんな面白い話ちゃうで」
川西「ゆずるがひとめぼれしたエピソード聞きたいやん」
河井「……賢ちゃんの、純粋にそういうの聞いてくるとこ、よくないで」
川西「なんでよ」
これ以上渋るとブーブー文句言ってきそうやから教えたるか。
しゃあないなあ…。
何年前やろな…まだアインシュタインも和牛も大阪におった時で、Aはまだ劇場で働いてなくて。
夏の、セミがずーっと鳴いてるような、
めちゃくちゃ暑い日やった。
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作者名：KaZu | 作成日時：2021年4月26日 23時
