出会いと始まり

第１９話 ページ22

男「なんだか今日は、下がさわがしいな…
________って、おい！何してる！
鐘の時間はとっくに過ぎてるぞ！」

男「鐘が…」

男「あ？」

男「鐘が無い」

男「はい？(汗」



アルフォンスさんが、教会の鐘を担いでくる

コレって泥棒と変わらないんじゃ……

ロ「さっきの話だけど、まだ信じきれない」

信じきらなくても
それが真実には変わりない

ロ「そうまでしないと錬成できないなんて…」

ア「言ったろ、錬金術の基本は "等価交換" って」

「 "等価交換" とは、何かを得ようとするなら
それなりの代価を払わなければならないこと…」

ア「うん
兄さんも「天才」だなんて言われているけど
「努力」という代価を払ったからこそ、
今の兄さんがあるんだ」

ロ「でも、そこまでの犠牲を払ったからには
お母さんはちゃんと…」

ロゼさんがそういうと
アルフォンスさんの雰囲気が暗くなったのを感じた

ア「人の形をしていなかった」

ロ「…‼」

人体錬成は錬金術の禁忌
どれだけ正しい理論を並べても
それは "失敗" に終わる

それは何故か？

たとえ理論が正しくても
それを行う "錬金術師" が間違っているのだから…




《そんな…、なんで‼
兄さんの理論は完璧だったはずだ‼》

《あぁ、理論上では間違っちゃいなかった…》

《間違っていたのは、オレ達だ…》




ア「人体錬成はあきらめたけど、
それでも兄さんはボクの身体だけでも
元に戻そうとしてくれる」

悲しき兄弟 ここにあり

ア「ボクだって、兄さんを元に戻してやりたいんだ」

悲しき少女 ここにあり

ア「でも、そのリスクが大きいのは、さっき話した通り」

青き空で

ア「報いを受け、命を落とすかもしれない」

彼女達は舞い踊る

ア「ボク達が選んだ道は
そういう "業" の道だ」

「…」

翼を羽ばたかせ

ア「だからロゼ
君は、こっちに来ちゃいけない」

哀しき空で舞い踊る…









いつか、地に堕とされると知らず

今を楽しむように
過去を思い出さぬように…

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