「一緒」－第三章－ (ページ43)

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僕には分かっていた。

彼は決して僕を友人とは認めてくれないことを。

僕は永遠に彼の友人にはなりえないということを。

彼は僕を親友と呼ぶけれど決してそうはなれないことを。

HS「はは、流石だなナムジュナ！お前と”親友”になれて良かった！」

僕だけはホソクの嘘に気付いていた。

きっと本人も気付いていない僕への憎悪を僕だけは感じ取っていた。

彼と出会ってから、彼は度々僕の家を訪れるようになった。

ある時は宿題をもって、ある時はテニスラケットをもって、ある時はレゴブロックをもって。

彼は僕の真似をして学校の図書館で借りてきた洋書を隣で読んでいたこともあった。

僕の辞書まで使って必死にそれを解読し、一章全訳した彼は僕のベッドに倒れ込んで「お前は凄いよ」と僕を褒めちぎり、僕の肩に腕を回した。

彼は決して僕を否定したり、咎めたりはしなかった。

でも彼の中では僕はいつだって所詮は【頭が良くて、何でも出来て、俺より優れているキム・ナムジュン】だった。

彼はまるで、必死に僕の友達を演じているようだった。

まるで僕に友達と認めてもらうことが世界の大義であるかのように。

彼は僕を褒め立てて、僕の偉大さを謳った。

そうしないと彼自身の存在意義が消滅してしまうような、余裕の無さすら感じ取れた。

NM「なぁ、誰かに雇われてるの？」

小心者の僕は冗談にも本気にも聞こえるような、曖昧な調子で尋ねた。

HS「ん～？なに、ナムジュナ～？」

僕の部屋のパソコンでレースゲームをしていた彼は、緩慢な声を出した。

画面に意識が集中し、僕の方を見ようともしない。

タイミングが悪かったなと後悔しながらも、僕は問いかけを繰り返した。

NM「誰かに雇われてるの？」

HS「へ？何の話？」

今度はしっかり聞き取った彼は、クルリと振り向き僕の顔を見た。

彼の向日葵の瞳がジッと僕の目や鼻、口を観察するように見据えた。