「一緒」－第三章－ (ページ22)

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俺はアイスを買うことを諦め、全力疾走で家に戻った。

そして玄関のドアを見た時、二つ目の違和感に気付く。

しっかりと閉めたはずの扉が引っ掛かって少し開いていたのだ。

鍵だって開きっぱなしだ。

HS「あれ……？最後の扉の鍵閉めたの、俺だよね……？」

俺は人一倍恐がりだった。

電気を点けてもホラー映画が直視できない俺は警戒心も人一倍で、家を出る時は誰が何人家の中に居ても鍵を掛けるようにしている。

それなのに、鍵はおろか扉すらろくに閉まっていない……。

ジミナ、何処かに出かけたのかな？

でもこんな時間に1人でどこに？

俺は喉に張り付いた唾を飲み込み、恐る恐る玄関を上がる。

玄関には彼の小さな靴が置いてあった。

彼は一足しか靴を持っていないので、少なくともジミンはこの家にいるということだった。

HS「ジミナ！居るの？」

彼が返事することを願って、俺は何度も彼の名前を呼びながら家中を徘徊して回った。

しかし、家の中は遠くの冷蔵庫の起動音すら鮮明に聞こえるほど静かだった。

トイレや風呂場、キッチンも覗いてみるが、誰もいない。

HS「ジミナ！どこ？ヒョンが帰ってきたよ？ジミナ！お願いだから返事をしてっ！！」

それでも返事はやはり返ってこなかった。