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上弦の鬼 ページ42

「テメェ!上弦の弐だな!バレてるぜ!!テメェを倒せば俺は柱だ!!」

伊之助くんが挑発するように鬼に話しかけた。


「別に上弦の弐だってことは隠してないけど…………面白い子が来たなぁ」

そう言ってぽかんと伊之助くんを見ていた鬼の視線が私に向けられた。

「………あと、美味しそうな女の子も」

舐め回すよつな不気味な視線にぞわっと鳥肌が立つ。

「本当、今日は良い夜だぁ。次から次に上等なご馳走がやって来る」

ニィッと笑う鬼を精一杯睨み付ける。


「…生憎、貴方の晩御飯になるつもりなんてないから」

すると、急に「ぬおっ!!」と伊之助くんが驚いた声をあげた。

「おまっ…ボロボロじゃねーか!何してんだ!!怪我したらアレだぞ!しのぶが怒るぞ!!すげー怒るからなアイツ!!」


カナヲちゃんに向けられたその言葉に彼女の顔が歪んでいく。


伊之助くんはまだ知らなかったんだ。


その表情で伊之助くんも悟ったらしい。


「…………死んだのか?しのぶ」


私はそっとカナヲちゃんの背中を擦る。

悲しみと怒りで彼女が小刻みに震えているのが分かった。


「まさか!死んでないよ!」

この場に似つかわない嬉々としたような声がして、上弦の弐を見た。

「彼女は俺の中で永遠に生き続ける。俺が喰った人は皆救われてる。もう苦しくない。辛くない。俺の体の一部になって幸せだよ」


その発言に目を見開く。

刀を持つ手に、ぎゅうううっと力が入っていく。


この鬼………


「………まさか、………しのぶさんを」


わなわなと震える声で尋ねれば、またニィッと目の前の鬼が笑う。


「あぁ、そうだよ。残さず全て、ね」

「っ!」


何て事………!

グッと奥歯を噛み締める。


その時、傍にいる伊之助くんの纏う空気が一気に変わった。

猪の被り物の下で鬼を睨み付けていることが見なくても分かる程、彼は殺気だっていた。


「塵が」


今まで聞いたことがない程低い声で告げると、上弦の弐目掛けて真っ直ぐ飛び出していった。

伊之助の母→←再び落下



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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月見(プロフ) - 澪凪さん» 嬉しいコメントありがとうございます!お待たせしてばかりですが、更新頑張りますね!最後までどうぞお付き合い下さい(*^^*) (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - やばいです好きぃぃぃぃぃぃぃっ!!頑張ってください、めっちゃ楽しみにしてます! (2021年7月29日 9時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます!おっしゃる通り、すれ違いつつもこの辺りから少しずつ二人の距離が縮んでいく予定です(*^^*)のんびり更新ですが精一杯頑張るので、最後までよろしくお願いします! (2021年7月6日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - めっっっちゃめちゃ面白いですね…実弥さんと夢主さんがすれ違いながらも徐々に近付いていく感じがね!もう、ね!(*´・v・`)いつも更新、本当にお疲れ様です。これからも楽しみにしております!! (2021年7月6日 10時) (レス) id: b998dfb0fd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 衣世さん» コメントありがとうございます!小説版読んでいた時に、実弥さんとカナエさん…そうなのかな?と思ったので、「2」で一瞬カナエさんのこと書きましたが、ファンブックで確定したときは驚きました(*_*)まだその辺の下書きがとっ散らかっていますが、更新頑張りますね(^^) (2021年6月18日 17時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2021年6月18日 5時

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