変化 ページ18
最近、柱稽古の帰りが遅いA。
お互い稽古で忙しいこともあるが、話をしようと思っていても目覚めた時には、もう朝餉の支度で布団にはおらず、気が付くとチビたちを連れて早々稽古に出掛けていた。
我妻が逃げ出した時など、多少話す機会はあったが、彼女が目を合わせてくることはなかった。
なんか、様子が変だ。
“避けられている”
ここ数日、そう感じていた。
まさか、なんか怒ってンのかァ?
そういや、他の隊士が噂してたが、もしかして竈門と………?
少々思い当たる節もあり、夜に何時もより早めに部屋を訪れて話しかけたのがことの始まりだった。
てっきり竈門とデキていると思っていたのは勘違いだったが、まさかカナエの話が出て来たのは予想外だった。
確かに、あの時の感情を思い返せばそうだったのだろうと、今なら思う。
ったく、誰だァ?そんな噂してた奴は。
『私は、今まで実弥さんが私を助けてくれたように、私だって貴方のこと守りたいんです。………例え実弥さんが、私のこと信頼していなかったとしても、実弥さんに想い人が居たとしても、私は───』
凄く酷な事を言われている気がした。
またカナエの話を引っ張り出されそうに感じて、気が付けばAの柔らかい唇を塞いでいた。
Aに守りたいと言われたことには驚いた。
んなもん、こっちの台詞だァ。
しかも何だ。
俺がAを信頼してねェだと?
Aは全然分かってねェ。
最初は感情任せで、兎に角話をさせないことばかり考えていた。
必死だった。
夢中だった。
抵抗されても、離したくなかった。
頭が少し冷静さを取り戻して、唇を離すと赤い顔で目を潤ませたAが痣のことを黙っていたことについて尋ねてくる。
その顔は反則だろォ………
そう思った時には布団の上に体を預ける彼女を見下ろしていた。
何度言っても、抜けているところがあるのか隙が多いA。
鬼を相手にしている時とは大違いだなァ。
そんな事を思いながら、掴んだ手首が震えていることに気が付いて、はっとする。
最初は竈門が好きならここから追い出そうと考えていたが、どう考えても途中からはそれと逆の感情で動いていた。
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月見(プロフ) - 澪凪さん» 嬉しいコメントありがとうございます!お待たせしてばかりですが、更新頑張りますね!最後までどうぞお付き合い下さい(*^^*) (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - やばいです好きぃぃぃぃぃぃぃっ!!頑張ってください、めっちゃ楽しみにしてます! (2021年7月29日 9時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます!おっしゃる通り、すれ違いつつもこの辺りから少しずつ二人の距離が縮んでいく予定です(*^^*)のんびり更新ですが精一杯頑張るので、最後までよろしくお願いします! (2021年7月6日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - めっっっちゃめちゃ面白いですね…実弥さんと夢主さんがすれ違いながらも徐々に近付いていく感じがね!もう、ね!(*´・v・`)いつも更新、本当にお疲れ様です。これからも楽しみにしております!! (2021年7月6日 10時) (レス) id: b998dfb0fd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 衣世さん» コメントありがとうございます!小説版読んでいた時に、実弥さんとカナエさん…そうなのかな?と思ったので、「2」で一瞬カナエさんのこと書きましたが、ファンブックで確定したときは驚きました(*_*)まだその辺の下書きがとっ散らかっていますが、更新頑張りますね(^^) (2021年6月18日 17時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年6月18日 5時