拗ね ページ7
翌日、私は朝から蝶屋敷の訓練所を訪れた。
訓練所を開けると、何故か炭治郎くん一人だけが訓練している。
「あれ?善逸くんたちは?」
尋ねると苦笑いをする彼。
「それが、二人とも負け越していることに耐えられなくなってしまって………」と教えてくれた。
あぁ、あんなに一生懸命一緒に頑張っていた二人が………と、残念な気持ちになる。
それから私は訓練をこなし終えて、そのまま帰ろうとすると、炭治郎くんに呼び止められた。
「Aさんは寝ている間もずっと全集中の呼吸していますか?」
真剣な顔つきの彼に、半年ほど前の自分のことを思い出す。
「もしかして炭治郎くん、常中やろうとしてる?」
「はい!そうです!長くやろうとすると肺は痛いし、耳も痛いしで………どうしたらできますか!?」
じぃっと、まっすぐな瞳が期待の目で私を見つめてくる。
「とにかくお腹に力を入れること。それから、やっぱり鍛練次第かな?あとは………」
そこまで言って、前に私がしのぶさんから言われた言葉を思い出す。
「継続あるのみです」
私はしのぶさんを真似てにこっと笑った。
*****
訓練の後、一度風柱邸に戻った私は昼餉を済ませてから水柱邸を訪ねることにした。
「では、実弥さん行ってきますね」
「勝手にしろォ………」
寝転んですんっと寝返りをうつと、私から体ごと顔を背ける。
その態度にもしかして、拗ねているのかな?と思ってしまう。
いや、まさか!
そんなわけ無いよね?
「僕も一緒に行く!」
「ひなちゃんも!Aと行く〜!」
「えっ?ただお礼しに行くだけだし、二人にはつまらないと思うよ?実弥さんとお留守番してて?」
「やだやだ!Aと行くの!」
「えぇ………」
何時もだったら「我が儘言うんじゃねェ」と実弥さんが二人を引き留めてくれるところだけれど、どうしたことか今日は無反応だ。
や、やっぱり拗ねてる?
私、機嫌を損ねちゃったのかな………?
仕方ない………
「ちゃんと、いい子にするって約束できる?」
「うん!!」
そんな訳で、元気よく頷いた二人と共に歩いて水柱邸を目指した。
353人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - 京華さん» 初めまして。とても嬉しいコメントありがとうございます!楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります!のんびり更新ですが、よろしくお願いします(*^^*) (2021年4月22日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初めまして。コメント失礼致します。月見さんの描く実弥さんが格好良過ぎて大好きです!更新嬉しかったです!今後も楽しみにしています♪ (2021年4月22日 19時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» 変換ミスしたまま気が付かず更新していたみたいです。修正しました!ありがとうございます(^^) (2021年4月16日 13時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません、26ページ無断の所、炭治郎が千寿郎くんに頭突きの事を謝るところの(お義父さん)は千寿郎くんと槇寿郎さんは実の親子なので(義)は付けなくていいんじゃないかなと(^_^;) (2021年4月16日 8時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
星奈 - こんな初見野郎でもコメント返してくれてありがとうございます!(*´ω`*) (2021年4月9日 22時) (レス) id: a759e2d602 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2021年3月8日 17時