検索窓
今日:3 hit、昨日:36 hit、合計:136,790 hit

屋敷の中 ページ39

「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」


屋敷に着いて直ぐ庭へ回ると、そんな声が聞こえた。

「村田さんっ!」

ドサッと崩れ落ちた鬼の膝。
そうして体と頸も少し遅れて庭に倒れた。

灰になっていく姿を横目に駆け寄る。

「A!」

「大変です!大きな気配が近付いているんです!」

「あぁ、ここまで来ると流石に俺でも分かる。嫌な感じがする」

険しい顔をした村田さんがごくっと唾を飲み込む。


と、ガタッと屋敷の中から物音がした。

大きな声を出してしまったから、陽翔か陽葵が起きてしまっただろうか?


そんな事を思って、でも何だか変だ。

そう、大きな気配に気を取られていて気がつかなかったけれど、中から別の小さな気配がする。

「っ!!」

悟った瞬間、私は土足のまま縁側に上がると障子を勢いよく開けた。

ターンと音を立てて開いたそこに駆け出す。


「あっ!おい!」

後ろから私を呼び止める村田さんの声がするけれど、構わず二人に近付いた。

寝室の中は陽翔が豪快な寝相を披露している以外、特に変わった様子はない。

ならばその奥の居間、もしくは他の部屋に鬼が入り込んでいることになる。

「Aどうしたんだよ?」と聞いてくる村田さん。

「…いるの。屋敷の中に鬼が入り込んでる」

「えぇっ!?」

平然を装って告げると、心底驚いたような村田さんの声が響く。


未だに大きな気配も此方に近付いている。
このまま二人を寝かせているのは危険だ。

そう判断して、実弥さんの元へ鴉を飛ばす。


そして、刀を抜くと閉じている襖の先を警戒しながら二人の体を揺すった。


「陽翔、陽葵、起きて!」


「ん………んん」と、寝起きの悪い陽翔が寝返りを打つ。


それに比べてごしごしと眠そうに両目を擦る陽葵。

「………A…?」

「そうだよ。Aだよ。陽葵早く起きて!陽翔を起こすの!」

「どうしたの………?」

襖を警戒していた視線を彼女へちらっと向けると、私の早口な口調と隊服に身を包んで刀を構えている姿に不安そうな目が揺れている。

「大丈夫。絶対守るから。ちゃんと私と村田さんの言うこと聞いて。でも危ないと思ったら逃げるんだよ」

言えば潤んだ目でぎゅっと陽葵が不安そうに私の服を掴む。


「陽翔!お前も早く起きろ!」

村田さんが布団から陽翔の体を起こして揺すっている。

「うぅん………」と眠そうな陽翔の声。

その時、大きな気配が上からしていることに気がついた。

近接戦→←気配



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
353人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月見(プロフ) - 京華さん» 初めまして。とても嬉しいコメントありがとうございます!楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります!のんびり更新ですが、よろしくお願いします(*^^*) (2021年4月22日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初めまして。コメント失礼致します。月見さんの描く実弥さんが格好良過ぎて大好きです!更新嬉しかったです!今後も楽しみにしています♪ (2021年4月22日 19時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» 変換ミスしたまま気が付かず更新していたみたいです。修正しました!ありがとうございます(^^) (2021年4月16日 13時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません、26ページ無断の所、炭治郎が千寿郎くんに頭突きの事を謝るところの(お義父さん)は千寿郎くんと槇寿郎さんは実の親子なので(義)は付けなくていいんじゃないかなと(^_^;) (2021年4月16日 8時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
星奈 - こんな初見野郎でもコメント返してくれてありがとうございます!(*´ω`*) (2021年4月9日 22時) (レス) id: a759e2d602 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月見 | 作成日時:2021年3月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。