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ページ25

「ですから、あなたは何もしないでいい」
「あなたはただ、俺に甘やかされていて」
「俺があなたの手となり足となる」
「俺にあなたの全てを任せてください」

「ああ、任せていいのは俺だけ、ですよ?」
「……他の人に頼るようなこと、しないでくださいね…?」


人差し指に絡ませた彼女の髪は、やはり柔らかくいい香りがした。













彼女が溺れてくれるには、甘いものを与えるだけではいけない。
俺以外にも、彼女に甘いものを与えている奴は男女ともにたっくさんいる。
それのせいで、俺の与える甘さが薄れたら困るからね。
彼女が感じて求めるのは、俺の与えるものだけで十分なんだ。


「Aせーんぱい♪」
「……こーんなところで何してるんですか?」


準備室のドアにもたれ、部屋で作業を“終えた”先輩に声をかける。


「ああ、係の仕事してたんですね」
「一人で行っていたんですか?」


一瞬だけ視線を廊下にやると、先ほどまで一緒に先輩と作業をしていた女子生徒の背中が見えた。
それを確認した後、クラスの子に手伝ってもらってとあなたは言う。


「…………………なんでも、俺を頼れと、言っていたのに……?」


心の中で吐いたはずの言葉は、しっかりと音になって部屋の中に零れた。
あなたの表情が、固まる。


「……ねえ先輩?」
「どうして俺以外を頼り、必要とするんですか?」


表面では笑って見せたけれど、裏面のほうでは彼女が頼った相手への殺意でいっぱいだった。
彼女に深く関わろうとしてきた連中はしっかりと牽制してきたつもりだったのに…。
意味を理解できなかったのか、あなたは恐る恐るに俺の言葉を聞き返した。


「あんな女なんかに、言うことも思うことも頼むこともないでしょう?」
「今の時代、スマホだとか便利なものがあるんですから、すぐに連絡くだされば駆け付けたのに」


あなたは何が何だかわからないと言った顔で、途切れ途切れになりながらも俺の名前を呼ぶ。


「……どうして、俺じゃなく…」

「…あんな、ゴミ虫も同然の馬鹿女に……っ!!」

「…っ!」
「……ああ、すいません」
「あなたの耳に、汚い言葉を聞かせてしまって」
「…でも、信じられないんですよ」
「……あなたが、俺以外を頼っただなんて」
「…………ああ、そうだA先輩」
「そういえばさっきの奴に、腕を触れられていましたよね」
「右腕のここだったか……ああ、汚れてしまって…可哀そうに、」

〃→←〃



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林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました!これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます! (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です!これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2017年8月29日 17時

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