[短編集]＿一日一笑顔...四...＿[曇天に笑う]

空丸・蒼世―…似ている二人((雪麻様リク) ページ29

｢｢A、デートしてくれ｣｣


「…は?」



驚き


…ではなく


呆れの意味で声を出す


またか


というか、こんな人の少ない道で捕まるとは…。



「空丸、お前は引っ込んでいろ」


「いくら師匠相手でもAばかりは無理です、俺の隣にいてもらう存在なので」


「妄想か?Aは他の誰でもない私の傍にいるんだ」


「いや、あの」



当の本人放って話すすめないでくれるかな


しかし、そんな事を口挟む間も与えずに


二人で口論を続ける


もう、いつものことながら人の話を聞かない…。



｢｢A、聞いてんのか/聞いているか｣｣


「…うん、しっかりとね」


「それで、A。御前はどちらと出かけるんだ」


「ちょ、ししょ…っ」



すっと自然の流れで私の隣に立つと


さり気なく腰に腕を回した。



「なんだ、空丸はこれもできないのか?」



勝ち誇ったように、見下すような笑みを見せる蒼世に対して


空丸は悔しそうに言葉を詰まらせた



「まだまだ子供だな」


「こ…っ子供で結構です!!!」



ずかずかと私の隣に来ると


ぐっと腕を引いた。



「A!!今日、お前が食いたいって言ってた料理、晩御飯として作ってやる!!」


「A、私はお前の行きたいと言ってた店に連れてってやろう」


「いや、唐突にデートとか言われましても…」



まず、一番初めの言葉からね


どっちと、の前に


行くか行かないかの問題よ


行かないけど



「私、用事あるから」


｢｢誰とだ｣｣


「何故そうハモる」



けど、その私の質問に答えることなく


自分たちの質問をずっと繰り返し言う



「誰だ、男か?」


「どんな用事だよ?一人だと危ねぇから俺がついて…」


「子供には任せられんな」


「師匠こそいつ手を出すか分かりません」


「…二人ともついてきたら…?」



もう面倒くさくなり


とりあえず、浮かんだ案を口にする


けど、それもまた自爆



「二人っきりがいいんだよ」


「私も同意見だ」


「えぇ…じゃあ二人とも却下で」


｢｢ふざけんな/ふざけるな｣｣


「どうしろと?」



片方選んでもアレでしょう?


どうしようもないわ


つーか用事ってなぁ



「…用事は曇神社と、犲の方たちの所へ和菓子を持っていくんです」



その言葉に、二人はマヌケな顔



「俺ん家来るならお茶飲んでけよ」


「曇神社で時間を使わせるものか」



…あ、愛されて、んのかなぁ…?


少し、迷惑だけども。


…一人で、苦笑いを溢した。

武田・鷹峯―…苦しい冬(男主)→←空丸―…しりとり((にょんすけ様リク)

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