そのさいしゅうわ。 ページ40
「…!!?」
は!?
と驚いて、後ろを振り返ろうとすると
がたん、
そう音を出してフライパンが揺れた
ふぁ…っ
てか、いや、熱ぅっ!?
「…何しちょるんじゃ」
「な、直人さんのせいです…」
驚きすぎたせいで、フライパンに指がほんの少し触れた。
やばい、火傷したかも
急いで水につけようとすると
…その指を掴んで
直人さんは…
「…な、ば…っちょ、何をお…!!」
それをくわえようとした
急いで彼の手から逃れ
水につける。
「…」
「そ、そんな目で見ないでください…」
じろりと睨むように見て来て
必要のない罪悪感に襲われる
…いや、罪悪感じゃなくて睨みつけられた恐怖かな…。
「で、直人さーん…退いてくれませんかー…」
その恐怖を少しでも感じながら
包丁を持った手を見る
「出来るじゃろ」
「いや、やりにくいんです…」
「あ゛?」
不機嫌そうな声に
びくりと体が震えた
…何でこの人こんな不機嫌なんだよ…！
そう思いながら
今の状況を我慢する
ドキドキが止まらない中
包丁を落とさないようにだとか
色々注意しながらやっていると
後で欠伸が聞こえた
「…寝てください」
「起こしたんは誰じゃろうねえ」
「もう寝ていいです」
すると、私から離れてソファに向かった直人さん
…離れた…。
なんか、涼しい…感じ。
ソファで横になった直人さんは
すぐに目を瞑った
…寝ちゃうかな
と思いながら
静かにお皿へ盛り付けをし
直人さんの分にラップをかける
・
・
朝ごはんを食べ終え
学校に行くとなった時間。
「直人さん」
寝ているであろう彼に近寄り
小さな声で言う。
…でも、反応がないので
もう少し大きめの声を出す
「直人さん、学校行ってきますね」
…あれー、反応がない
爆睡しちゃってるのかな
…まあ
いいか
そう思い玄関に向かおうとすると
「…何じゃ」
直人さんが薄く目を開けて
声を出した
「あ、ああ、学校行ってきます」
「…」
ムクリと起き上がった直人さんは
立ち上がるなり
私のおでこに
軽くキスした
「…っ!!」
「帰り」
「…い、いつも通りです…」
口にされたことがあるからと言って
おでこにされるのが恥ずかしくないわけではない
「よう照れるねえ」
「うるさいです…」
＿＿終
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みたらし団子(プロフ) - はじめまして、一言だけでいいので言わせてください。「なにこの作品神か？いや神だ(真顔）」ホンマにありがとうござきます。嘉神さん好きです(真顔）ホンマにあざますｯ！！！！ (2017年2月12日 1時) (
レス) id: 5b283a77b6 (このIDを非表示/違反報告)
きなこむし - 久しぶりに伺ったら…。完結おめでとうございます！一気に読ませて頂きました。ドキドキしっぱなしで、素敵なお話を有り難うございました。また次のお話も楽しみにしていますね♪ (2015年6月2日 21時) (携帯から) (レス) id: fe331a638e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 藍火さん» ありがとうございます！好きだなんて嬉しすぎます(^^*)次の作品も頑張らせていただきます！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
藍火 - 最後までドキドキでした！不雲綺さんの作る作品は、ほんとに好きです！次の作品も頑張ってください！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 38291bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 猫缶さん» こちらこそありがとうございました＾＾次の作品、なるべく早く作ろうと思います！ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：不雲綺
| 作成日時：2014年11月20日 19時
