そのさんじゅうさん。 ページ35
そのまま、寝たんだろう。
…私は部屋でドキドキがおさまっていなかったというのに…。
まあ、今もおさまってはいないが…。
寝ているならもう特に心配することはないだろう。
起きないよう、物音を立てずに
行動すればいいだけ。
…まだ駄目だ
顔見ると恥ずかしすぎる。
と思いながら、トイレに急いで向かった。
・
・
トイレから出て
ひざ掛けを持ってくる
流石に、この人を部屋まで連れて行く力はない。
そのひざ掛けを、寝ている直人さんにかけて
私も部屋に戻って寝よう
…そう思ったのだが
爆睡はしてなかったのか、薄っすら開いた直人さんの目を見て
体が固まった
だが
先程の恥ずかしさが襲う前に
直人さんは目を瞑った
…ま、また寝たのかな…。
そうだ、足音とかで眠ってる中から一瞬だけ起きたんだ。
そう言い聞かせ
また早くなった鼓動を落ち着かせるように
深呼吸する。
そうして、部屋に戻ろうとしたが
…眠っていないようで
「お、わ…っ」
直人さんの足が、私の足首を引っ掛けた
転びそうになったのを、なんとかバランスを取り戻し
「な、なんですか」
直人さんの方を勢いよく向く
「別になんでもええんじゃねん…?」
しかし、直人さんはこっちを見ずに
腕を枕にしながら
のんびりとそう言った。
「…っ」
キスの事が頭をよぎるが
何とか冷静に、静かな声で
何ともなかったかのように、いつものように伝える。
「起きたんならちょうど良かったです。…部屋に戻って寝てください」
片付けはもう私がやりますから。
と、直人さんをダメ人間にしてしまう発言をしようとして口を閉じる
「…片付けは明日の朝、やってくれれば結構ですから」
少しは自分でやらせないと。
そう思ってした発言は
「君はもう寝るんか」
見事にスルーされる。
「…明日の準備をしたら、寝ますよ」
「…」
…数秒たっても、返事は来ない
聞いといてこれも無視ですか。
相変わらず自由な人だ…。
「直人さん、私部屋戻りますね。…おやすみなさい」
一緒の部屋にいるのが、いつも以上にドキドキするから
早く逃げたかった
…。
そう思って、おやすみなさいと言ったのだが
返事は来ない
いつもなら、しつこく言うが
顔を見るとまた恥ずかしいし、肩を揺らすなんて今は出来ない
なので、ちょっと気になりつつも
恥ずかしさに勝てず、部屋に戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みたらし団子(プロフ) - はじめまして、一言だけでいいので言わせてください。「なにこの作品神か？いや神だ(真顔）」ホンマにありがとうござきます。嘉神さん好きです(真顔）ホンマにあざますｯ！！！！ (2017年2月12日 1時) (
レス) id: 5b283a77b6 (このIDを非表示/違反報告)
きなこむし - 久しぶりに伺ったら…。完結おめでとうございます！一気に読ませて頂きました。ドキドキしっぱなしで、素敵なお話を有り難うございました。また次のお話も楽しみにしていますね♪ (2015年6月2日 21時) (携帯から) (レス) id: fe331a638e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 藍火さん» ありがとうございます！好きだなんて嬉しすぎます(^^*)次の作品も頑張らせていただきます！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
藍火 - 最後までドキドキでした！不雲綺さんの作る作品は、ほんとに好きです！次の作品も頑張ってください！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 38291bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 猫缶さん» こちらこそありがとうございました＾＾次の作品、なるべく早く作ろうと思います！ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：不雲綺
| 作成日時：2014年11月20日 19時
