そのかこ。 ページ24
・番外編
「…」
嫌そうに顔を歪めている男の人は
私を見下ろしている
「おとしもの、です」
ぎゅ、とその人の裾を引っ張ったのが
直人さんとの出会い…ってほどでもないけど
出会いのようなモノ。
それ以来、かかわりはなかったが
幼い頃のある日
「あ」
公園に遊びに行くと
ベンチで腕を組んで眠そうにしている男の人を発見した
それが、落し物の人だ
と気づき近寄ると、じろりとこっちを男の人は睨んだ
「…何じゃ」
「この間の人」
「…あ?」
意味が分からないと言う顔をされても
幼い私は気にせずに隣に座った
その日から
顔を合わすたびに、声をかけた
…最初は無視されてたけど
次第に反応してくれるようになった
そして
「…っ」
思春期。
その年になって、両親が仕事の都合上引っ越すことに
本来なら、私も引っ越すのだが
友人の事とかがあって、此処に残りたいと言った
「…一人暮らしか、よう両親が許したもんじゃのぅ」
「許されてませんよ。引っ越すんだって説得され中です」
思春期になっても、公園に行く日はあった。
家への帰り道だし。
「そねぇココ離れるんが嫌なんか」
「友達と離れるの嫌ですし」
その時、直人さんの名前はあえて出さずに
理由をあげた
「その他色々」
「終わったんか」
「聞いてませんでしたね、今」
むす、としながら
引っ越したくないという感情一つに浸る
「…保護者みたいなんがおれば承諾も得れるんかね」
「…は?」
「あ?」
意味が分からない
「僕と住むか?」
「……は?」
だから
何度も聞き返す
「…嘉神さんの家、何処ですか」
「何処じゃろうねぇ?」
「…でも、どの道、両親は許可しませんよ」
直人さんの事を良く思っていない
良く思っていない人に娘を預けられるものか
「まあええっちゃ。困るんは君じゃ」
でもどうしても引っ越したくない
…両親を説得できるものだろうか。
親と離れるのは平気だから、説得さえできればいい
…はず。
「どうするんじゃ、もう暗くなってきよった」
「…えと、す、住みます!!!」
「…親の説得は君の役目じゃ」
「え…」
と、言う感じで
直人さんとの同居が始まった。
親の説得頑張った。
心の隅で、年頃の私が男の人と大丈夫なのだろうかという不安に駆られながら
めっちゃ頑張った。
それくらいに、引っ越したくなかった。
…まぁ不安は的中しましたがね。
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みたらし団子(プロフ) - はじめまして、一言だけでいいので言わせてください。「なにこの作品神か？いや神だ(真顔）」ホンマにありがとうござきます。嘉神さん好きです(真顔）ホンマにあざますｯ！！！！ (2017年2月12日 1時) (
レス) id: 5b283a77b6 (このIDを非表示/違反報告)
きなこむし - 久しぶりに伺ったら…。完結おめでとうございます！一気に読ませて頂きました。ドキドキしっぱなしで、素敵なお話を有り難うございました。また次のお話も楽しみにしていますね♪ (2015年6月2日 21時) (携帯から) (レス) id: fe331a638e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 藍火さん» ありがとうございます！好きだなんて嬉しすぎます(^^*)次の作品も頑張らせていただきます！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
藍火 - 最後までドキドキでした！不雲綺さんの作る作品は、ほんとに好きです！次の作品も頑張ってください！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 38291bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 猫缶さん» こちらこそありがとうございました＾＾次の作品、なるべく早く作ろうと思います！ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不雲綺
| 作成日時：2014年11月20日 19時
