そのじゅう。 ページ11
「どうしてダメなんですか…」
「…」
不満そうに、ムクリと起き上がって
直人さんの隣に座る
「…決めました、駄目って言われても行きます」
そうだ、最初からそうすればよかったんじゃないか！
と、思った途端
軽くだが頭を叩かれた
「いったい!!病人になんてことするんです!!」
「病人ならベッドで横んなっとるもんじゃろうが」
「う…そ、ですけど…」
むぐぐ…と下唇を噛みながら
言葉を詰まらせていると
「僕には君しかおらん」
「…またそれですか」
「また言うてもねぇ…本当のことじゃ。大事なモン汚しとぅないじゃろ」
「私の事大事だと思ってんなら、少しくらいやりたいことやらしてくれても――あだっ」
「なんでもええっちゃ、布団戻れ」
「…何、自分で言って照れとるんですか」
「しろしい」
あー…
今はどう説得しようとしても駄目だ。
そう察して、部屋に渋々戻った
いや、説得なんて最初から無理に決まっているのだけれど…。
どうしても行きたい、私だって学生らしいといいますか
友達と買いもの行きたい!!!!
ぐぅ、と下唇を噛んで
枕に顔を埋めた
少し息苦しい中、そのまま寝てしまった
・
・
でもって当日
待ち合わせ時間、2時間前。
「風邪治りました。行かせてください」
この前のように取り乱すことなく
あくまで冷静に正座をして直人さんを見上げる
けれど、直人さんは何を思ったのか
棒状にした新聞紙で頭を叩いた
「…なんでです?」
酷いなこの人、知ってたけど。
「痛いんですが」
「知らん」
「叩いたのアンタでしょう」
って話ずれてる…！！
「友達にはもう行くって連絡しましたから」
「とうとう頭ン中腐りよったか」
「泣きますよ!?」
とうとうって!!!!
何ですかもうこの人は!!
「…っお願いします」
咳払いをしてから、もう一度お願いすると
「その友人はあれかね、男か」
「いいえ、女の子です」
おっ?おっ?
と期待が高まる
でも、この人案外上げといて落とすからな…。
「…今日だけっちゃ」
「何で駄m…えっ?きょ…え?今、ま、まじ…です…はっ?」
予想外の言葉が飛んできて
動揺が表に出る
だけど、なんか疑いが生まれる
何か企んでいるのでは…?と
しかし、嬉しさでその気持ちが薄れる
「ありがとうございます!!!」
粘った私!!!
よくやった!!!
自分で自分をほめて、準備にかかった。
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みたらし団子(プロフ) - はじめまして、一言だけでいいので言わせてください。「なにこの作品神か？いや神だ(真顔）」ホンマにありがとうござきます。嘉神さん好きです(真顔）ホンマにあざますｯ！！！！ (2017年2月12日 1時) (
レス) id: 5b283a77b6 (このIDを非表示/違反報告)
きなこむし - 久しぶりに伺ったら…。完結おめでとうございます！一気に読ませて頂きました。ドキドキしっぱなしで、素敵なお話を有り難うございました。また次のお話も楽しみにしていますね♪ (2015年6月2日 21時) (携帯から) (レス) id: fe331a638e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 藍火さん» ありがとうございます！好きだなんて嬉しすぎます(^^*)次の作品も頑張らせていただきます！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
藍火 - 最後までドキドキでした！不雲綺さんの作る作品は、ほんとに好きです！次の作品も頑張ってください！ (2015年5月11日 1時) (レス) id: 38291bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 猫缶さん» こちらこそありがとうございました＾＾次の作品、なるべく早く作ろうと思います！ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不雲綺
| 作成日時：2014年11月20日 19時
