[短編集]＿一日一笑顔...弐...＿[曇天に笑う]

安倍―…癒し時間((雪麻様リク) ページ48

「・・・」


「・・・」


「隊長」


「なんだ」


「いや、なんでも」



いつもの犲の部屋。


今は隊長と二人っきり


妙に静かな部屋に、私の鼓動が響きそうだ



「・・・くっつきすぎではないですか」


「そんな事はない」



椅子に座っている私に寄りかかるようにして隣にいる隊長


密着・・・。



「いつもの席へは座らないのですか」


「たまにはいいだろう」


「ま、ぁ・・・いいですけど」



変な隊長。


そう思って、知らんぷりをしようとするが


それをまた阻止する



「ん・・・」


「！？」



私の腰に腕を回し、自分の体の方へとくっ付ける


ただでさえ、密着していた体がもっと密着する。


・・・これ、どういう事・・・



「たい、ちょ・・・やっぱり今日おかしいですって・・・っ」


「なにがだ」


「普段の隊長はこんなくっ付くような事・・・」



そこで、言葉が途切れる


・・・驚きのあまりに。


こて、と頭を私の肩に乗せる隊長



「ほっ本当どうしたんですか!?」



ふんわりと、隊長のいい匂いが鼻を・・・。


って変態か私は！


しっかり、し・・・



「駄目か?」


「・・・い、え・・・ダメじゃ、ないです」



そんな上目で見られたら!!!!


私が!!断れるわけ!!ないでしょうが!!!!



「少し疲れた、癒せ」


「そんな無茶ぶり・・・」


「・・・甘えたら、迷惑か」


「え・・・っあ、いえ迷惑じゃないです」



今度はさみしそうな顔を向ける物だから


反応が送れる


・・・見とれてたってのもあるけど



「・・・抱き枕になれ」


「は・・・!?」


「・・・抱きしめさせてくれ」


「は、あ・・・は、はい」



思わず、身体が緊張して固まる


だって当たり前でしょう、あの隊長が・・・



「た、いちょ・・・?」



すぐに来ると思っていた私は、なかなか来ない隊長に疑問を抱き


体の力が抜けた


・・・瞬間だった。



「っう・・・!?」



いきなり抱きつかれて、2人分のソファをすべて使い


横になる


目の前は隊長の胸元



「隊長ではなく、蒼世と呼べ」


「えっえぇっ・・・」


「隊長命令だ」


「そんな・・・」



そんな我儘な口とは対照的に


優しく、抱きしめる



「・・・今日だけですよ」


「ああ」


「・・・そう、せい・・・」


「・・・最高だな」



何が。


そう思うけど


・・・否定はしない。

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