[短編集]＿一日一笑顔...弐...＿[曇天に笑う]

安倍―…期待((來斗様リク) ページ27

蒼世お酒弱い設定です
──

「隊長の、酒がのめんのか・・・」



こんなところで酒ばっか飲んでる場合じゃないんですよ。


そう思いつつ、蒼世が乱暴に渡してきた盃を手にする。



「はいはい、いただきます」



今にも倒れそうなほどふらふらなのに、よくそんなもっと飲もうとするなぁ


私はザルなので、まったくもって問題はない。


もしかしたら、ザルより上のワクかもしれない。なんて。


蒼世はいつもそうだ、酒を飲み始めると無駄に私より飲みたがる



「でですね、隊長さん。もうそろそろやめた方が良いんじゃないですかね」



私と本当に同じ量なのだろうか。


と思うほど蒼世はもう限界に来ていそうだった



「何を言う、わたしあ・・まら全然平気だ」


「よく言えますね」


「わたしお、馬鹿にでもしていうのか」


「馬鹿になんてしてませんよ」



そう笑いながら、蒼世の目をジッ見ると


同じように・・・ではないけれど、ぼうっとしながら此方を見ていた



「どうしたんですか、たいちょーさん」


「きしゃ、あ・・・貴様が私を見ていたのらろう」



呂律・・・。


溜息を小さく溢すと、蒼世はゴツと後ろに倒れた


あーあー、やっと寝てくれる



「ゆっくり休んでください、蒼世ーさん」


「寝てなろ、いな・・・」


「強がらないでください」


「・・・」



こちらをジロリと睨み付けると


勢いよく体を起こして



「え・・・っ」



その勢いで私を押し倒した。


・・・おっと。



「隊長、本当酔いすぎ・・・っ」


「なんろ言えば分かうのら・・・」


「もうその喋り方の時点でアウトです・・・!!!」


「・・・そんら事、言う口は」



どんどん顔が近づいてきて、思わず目を瞑る。


ドキドキと高鳴る心臓の音を感じながら


蒼世を待つ


・・・けれど、数秒たっても来ない


恐る恐る、目を開けると


・・・その瞬間



「ぅぐ・・・っ」



蒼世は力が抜けたのか、私の上にぐしゃりと崩れて乗っかった



「そ、そうせ・・・！」


「ん・・・」


「・・・あぁ、もう」



ぐた、と私も力尽きたように強張った体を緩めた



「・・・Zzz」



寝てるし。


くそ、私のドキドキを返せ。


・・・というか、息が耳にかかってくすぐった・・・


酒に弱い人はこう潰れるから困る


・・・。



体、密着しすぎ



一人でまた心臓をドキドキさせていた。

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