殺神さんと一緒です。＿[曇天に笑う] (ページ9)

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『７』ページ9

「馬鹿親父があああっ!!!」

「暑苦しいのぅ」

抱き着きながら、叫ぶ。

いや今回は決してね?嫌な顔が見たいとかそう言うわけじゃあねえんすよ

…子供にはこういう時も必要。

なぁんちゃって?

「なんじゃぁ君、いつもより面倒くさいのぅ。少し離れただけじゃろが」

「馬鹿あああああああ!!!!」

っていうか嘉神さん小さい抱き着きにくい。

あっはは、しょうがないですもんね！もうのびませんもんね！(笑)

…けれど、それは今口に出せない。

「何回馬鹿言えば気が済むんじゃ…」

「何回でも言ってやりますよぉおおっ!!!!」

「……君」

「ぅぐ、なんですかぁ」

おにぎり潰れてたらどうしよう。

なんてしんみりとした雰囲気を誤魔化すように思う。

「泣いちょるんか」

「今更ですか、本当馬鹿ですね。馬嘉神ぃ…！」

「ついには呼び捨てかね」

溜息をつく嘉神さん。

ああ、泣いてんだ。

と自分でも今更ながらに気付く

「にしても君は意味が分からんねぇ」

「何がですかぁ」

「なんで僕がおらんくなっただけで泣くんじゃ」

「…」

なんでって。

…アンタは覚えていないのか

「言ったでしょう、俺の遊び道具は嘉神さん！嘉神さんを苛めることが俺の楽しみ！」

涙を拭って、離れる

「はい、おにぎりです」

「…中身なんじゃ」

「普通に鮭とかですよ。なんです?嫌がらせで納豆でも入れてると思いました?悪いですけど食事は大事ですからね。あと吐かれたら困りますし」

「いきなり通常運転じゃねぇ」

「まぁそれが俺のいいところ」

「でもあり悪い所じゃろうが」

「えっひっどい事言いますね嘉神さん!!」

ぽこぽこ怒ると、嘉神さんは一瞬だけふわっと笑った

「…」

「あ?固まってどうしたんじゃ」

「…おっさんとは思えない笑顔でした…」

「…ぅぇ」

「あはは、今俺に呆れてます?ねえねえねえ!!」

にぃと歯を見せて笑うと嘉神さんも渋々笑顔を見せた。

「あ」

と、嘉神さんがおにぎりに口つけた瞬間声を出す

「変なもの、入ってたらすいませんねー」

先程とは違う小馬鹿にするような笑みを浮かべる

「具っていうか…わさびとかさ?」

瞬間、おにぎりがこちらに投げられ顔に…

「っからぁあああ!!!!わさび…っうあああっ!!!」

「自業自得じゃ」

「そういう嘉神さんも涙目…っおうふ、こりゃやべ…っおぐううっ!!!!」

自爆ってこういう事なんですかね。