殺神さんと一緒です。＿[曇天に笑う] (ページ22)

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『２０』ページ22

依存してる

自分でこう思うのはおかしいのかもしれないけど。

「…本当に死にたいんか」

「…嘉神さんと離れるくらいならね」

「本音を吐かんとは面倒くせぇやつじゃ」

本音って何ですか

言ったでしょう。

…言った。はず

「…」

ぎろ、と睨みつけられて何も言えなくなる

本音

ほんね

…あんたは何が言いたいんだ

てか

――何で分かるんだアンタ。

ぐしゃ、と膝から崩れ落ちて

その本音とやらを探す。

目の前にあるのに。

「………俺を、捨てないでください…」

震えた声で、涙声で言った

唇の震えが止まらず、下唇を噛んでその震えを抑えようとするが

止まらない

…いつも通りの、嘉神さんのため息に多少の安堵を覚えた

「…捨てるも何も僕は君を所有物にした覚えはねぇっちゃ」

「…っ……あは」

…その通りだ。

その思いと同時に

ぎゅう、と短刀を握り締めたとき

「じゃけえ、僕が拾っちゃる

生憎、僕は何も持ってねぇもんでのぅ

捨てようにも捨てれん。…そこの覚悟はしておけ」

予想外の言葉が頭上からした

…その後に欠伸をする声も。

思わず、短刀が手からこぼれ落ちる

「…嘉神さんのデレ、気持ち悪」

「へえへえ」

「…いきなり何なんですか、あんな目で見といて、今まで冷たくあしらっていながら」

笑顔を作ろうとするが

どうにも無理そうだ

「君は子供じゃのう?」

「知ってます」

ｸﾞｽﾞ

と、鼻をならして

顔を歪ました

地面に頭をつけて、泣き顔を見られないように

隠した

「大袈裟な奴じゃのぅ。君ち云う奴は」

呆れた溜息ですら、今は安心する

「嘉神、さんが…っｸﾞｽﾞ…俺を泣かしたぁ…」

「泣かせるよう仕向けたんは君じゃろうが」

ガバッと顔をあげると

嘉神さんは他所を向いて、暇そうに、俺が泣きやむのを待っていた

「親は、俺を捨てました」

「聞いちょった」

「…それに殺意、ﾋｸｯ…殺意と絶望を抱きました」

「へえ」

「…嘉神さん、俺を捨てたら同じように殺意と絶望を抱きますからね」

「君に殺されるんは勘弁じゃ。…僕も君に負けるほど弱っとらんしのぅ」

両親はどこかで生きてるかもしれないけど

俺の中で両親は死んだ

村から逃げて、嘉神さん探して

…見つけたときに見えた、希望は計り知れない

「…」

「いつまで泣いとんじゃ、男じゃろう、さっさとせんかね」

「人が過去明かして泣いてるのに、相変わらずひどい人ですね」