殺神さんと一緒です。＿[曇天に笑う] (ページ18)

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『１６』ページ18

「そうやって警察を錯乱させると言いますか?ほら、仲間まで混乱させたら警察驚くでしょう?まぁ?そんな感じですかね?」

どや、って感じで言った

言ってやったのだが

「…」

「…」

え、何この沈黙?

「…嘉神さん、何か反応をいただけますでしょうか」

「知らん」

嘉神さんは怒りも呆れもせず、ただただこちらを見つめていた

…どうやら、俺の弱点を見つけたようだ

嘉神さんの口角が少しばかり上がった

…でも、その口から言葉が発せられることがなく

ニヤニヤとしながら俺との距離を取った

なんで離れたんすか

…あ、いつもの事か。てへ。

「ふっ、弱点見つけても俺のウザさは変わらな――う゛ぉっ」

どん、とのんびりとした衝動が俺の背中に来た

そのまま叫ぶ間もなく地面に叩きつけられた

…い、痛ぇ!!!

「な、何…っ何、今の!?」

地面に腹をつけたまま、辺りを見回す

相変わらず、嘉神さんはにやにや。

…あたりに何もないのは何で…?

まず俺の背中に何が当たったの!?

何々なに!?

「絶対俺の背中赤くなってる…」

「ええねぇ…♪そねぇな顔そうそう見ん。なかなか見物じゃ」

嘉神さんはしゃがんで、俺を笑う

「ねぇ嘉神さん!?今の何だったんです!?」

「さぁねぇ?」

あ、絶対知ってるこの人。

つーか絶対この人がやったんじゃね?

ニヤニヤしてたのも俺の弱点を見つけたからではなく!!!

何か来るのを知ってて!!!

笑ってやがったんだ!!くそっ、俺としたことが!!

「何したんすか…」

そう問うと、嘉神さんは一層口角をあげて

不敵に笑った

「ちょこぉっと罠作っただけじゃ」

いら。

…いつも嘉神さんはこのイライラを感じているんだろう。

うん、言わなくても分かるだろうが

今は俺が感じてる。

少し言葉に悩んだ後に選んだ言葉を発した

「…このガキ…」

「君のがガキじゃ。僕は君みてぇに頭腐っちょらん」

嘉神さんの言葉にカチンときながら

ゆっくり起き上がろうとしたとき

「う゛ごぁっ!?」

嘉神さんに頭踏まれた

おいおいおい、ここ、道じゃないんですよ

普通に雑草とか生えてるんですよ

…運良く俺の顔の所にはございませんが。

「君にあたったんはただの木じゃ」

「木!?いーみーふー!!…っご、ごめんなさい、やめて、俺の顔地面に埋まっちゃいます…ホントにやめてください!!!」

喋るの一苦労だわ。下手したら土が口ン中入っちゃうよ。

つーか木があたったってどういう事…。