280* ページ10
.
.
.
横になっている先生は
白衣が肌蹴ていて、
.
.
.
カズにぃは、紺色のネクタイが
ちょっとだけ緩んでいて。
.
.
.
.
二人とも驚くこともしないで私を見つめる。
.
.
.
.
「・・あ・・、の・・ｯ」
吉野「あら・・、二宮ちゃん？」
.
.
.
.
綺麗な顔で、何事もなかったように
私のことをまじまじと見つめる吉野先生を
どうしても好きになれない。
.
.
.
和也「あ・・、ソレ俺の弁当？」
.
.
.
先生の上に覆いかぶさるような体勢のカズにぃが
ヒョイと起き上がって私のお弁当を指差した。
.
.
.
「あ・・うん。」
.
.
.
保健室の入り口付近でずっと突っ立ったまま、
カズにぃの方へ近寄れない。
.
.
近寄らないと渡す事ができないのに、
.
.
どうしても私の足は動かないと言っている。
.
.
.
.
ただ、
.
.
.
次々に私からは憎まれ口が堪えず出てくる。
.
.
.
「・・ごめんね。」
和也「え？」
「なんだか、邪魔しちゃって・・」
和也「何言って・・」
「お弁当持って、カズにぃのクラスに行ったらココだって聞いて。」
和也「おい、・・」
「来てみたら、ちょっと入っちゃダメな雰囲気だったからｯ」
和也「ちょ、A？」
「吉野先生も・・」
和也「どうしたんだよ。」
.
.
.
.
身を乗り出して、私に近づこうとするカズにぃに対し、
私は一歩、また一歩と後退り、一度も目を見ることができない。
.
.
.
.
「・・そうだよね・・カズにぃはｯ・・」
和也「え？」
「・・なんでもない、・・コレお弁当。」
和也「えっ・・ちょ、何だよｯ・・」
.
.
.
.
じわりじわりと熱くなる目頭を我慢できそうになくて、
.
.
さっきの光景がずっと脳裏に焼きついて離れなくて、
.
.
二人のことを視界に入れると、胸の奥がずっと痛いままで。
.
.
目尻から零れそうになるものを見せたくなくて
私は強引にお弁当を押し付けると、
無理矢理カズにぃとの会話を終わらせ、
走って保健室から逃げ出した。
.
.
.
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 612人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2012年5月1日 19時
