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驚いて、顔を上げると
カズにぃが意地悪く笑っていて。
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ここには屋根があるのに、カズにぃは傘を差している。
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私とカズにぃを覆い隠すような、
そんな風に、私の傘は二人を包み込む。
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さっきとは違う緊張感が私のことを背中から襲った。
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「・・あ、あの・・」
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顔の横に突いたカズにぃの手が
雨にぬれていて、どこか色っぽい。
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和也「お前が、さっさと言わねぇから。俺、結局雨にぬれてんじゃん。」
「な・・っ・・」
和也「ほんと・・、意地悪だな、お前は(笑)」
「違ｯ・・・、いっ、言うって何を・・ｯ・・」
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私の、
ムキになった質問に対し
カズにぃは
待ってましたと言わんばかりにニヤっと笑った。
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和也「・・あれ、自分から言いたいの。もう一回？」
「へっ・・？」
和也「だったらほら・・、早く(笑)」
「なっ・・や、・・ヤダよ。」
和也「言って？・・・つーか、言えよ。」
「えっ・・、な、何で？」
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カズにぃの腕に行く先を遮られているから、動けなくて
その場にどんどん縮こまっていく私。
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それをまるで楽しむかのようにニコニコして。
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結局のところ、
私の気持ちを一方的に押し付けたみたいな。
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もしかしたら、
今ここに居てくれてるのだって、同情かもしれない。
そんなこと思えてきて。
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「・・・か、カズにぃは・・？」
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そう感じた途端、
私の口はストレートにそのことを質問として
カズにぃへ投げられていた。
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もちろん、カズにぃはキョトンとしていて。
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「か、カズにぃは・・どう思うの？私のこと。」
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熱くなる顔を気にせず、
直球にそう問うと、カズにぃは眉一つ動かさず、
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和也「ふふ(笑)そこ聞く？今。」
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と、
余裕っぽく笑って見せた。
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そして、
口角を一つクイと上げると
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和也「・・嫌いじゃないよ？(笑)」
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と、
言って
私の心臓の音をまた一つ大きな音へと変えた。
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作成日時：2012年5月1日 19時
