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隣に居るのが、吉野先生だと
もう一度確信しちゃったら
どんどん心臓が震える。
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あの先生になんて、敵うワケない。
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カズにぃがこっちを向いてくれるワケない。
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そう思っても、言葉は止められなくて。
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「待って・・」
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やっぱりカズにぃは
こちらへ近づくこともせず、遠ざかることもしない。
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そんなことにキュっと胸が締め付けられて、
苦しくて、切なくて・・痛い。
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どんどん瞳に溜まる想いが、溢れ出す前に・・
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「なんで・・、なんで離れてくの・・？」
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「なんで、こっち見てくれないの・・。」
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「なんで・・、いっつも困らせるの？」
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「・・な、んで・・、冷たくするの？」
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苦しい。
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「っ・・やだよ、誰かと一緒のとこ見るの・・ｯ」
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一気に気持ちが溢れて、
また、私はカズにぃを困らせる。
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そう感じても、
そう思っても、
やっぱり止まらなくて。
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「・・私から離れていかないでｯ・・」
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「吉野先生と一緒にｯ・・居ないで、よ・・っ」
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こんなこと言って、
吉野先生が困るって、迷惑だって分かってるのに。
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こんなとこで泣いても、カズにぃを困らせるって分かってる。
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でも、止まんない。
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「やだぁｯ・・、カズにぃのこと・・、好きなのにっ・・」
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「ずっと、ずっと大好きなのにｯ・・離れていかないでっ・・」
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こんなに簡単なことだったのに
全然言えなかった。
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「・・好きって変ｯ・・・・きゃｯ・・！」
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ボロボロと零れ落ちる涙を掻っ攫うようにして
途端に、私の体はグイっと何かに引っ張られ、
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「・・か、カズにぃ？」
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和也「・・アホか、お前。」
「な・・」
和也「風邪引く、つってんだよ。」
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ぐいぐいと私の腕を引っ張って、
ボロボロと零れる気持ちは、
一ミリでも届いているのだろうか。
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そんなことが気になって。
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いつもと対応が変わらないカズにぃだけど、
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吉野先生をおいて、私の方へ来てくれたことが嬉しくて。
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作成日時：2012年5月1日 19時
