294* ページ24
.
.
.
こちらへ近づくこともせず、遠ざかることもしない。
.
そんなカズにぃの行動がもどかしくて。
動かないから、私も動けない、
こんな距離が苦しい。
.
.
.
和也「・・傘、差さないとぬれるだろ。」
.
.
.
冷たいくせに、
そうやって優しくするのだって
.
.
.
和也「用事ないなら、もう行くから。」
.
.
.
優しくしといて、
冷たくするのだって
.
.
.
全部、意地悪。
全部、ずるい。
.
.
.
だからって、
.
私から離れていかないで。
.
.
.
私のこと嫌いでもいいから
離れていかないでよ。
.
.
.
背を向けないでよ。
こっち見てよ。
吉野先生と一緒に居ないでよ。
.
.
.
.
.
私に背を向けて、先を歩き出すカズにぃと吉野先生。
そんな二人を雨に打たれながら見るのは
すごく苦しくて、切なくて。
.
.
.
何を言えば、引き止めることができるのか、
どうすれば、こっちを向いてくれるのか。
.
.
.
いくら考えたって、
私の頭じゃカズにぃの求めることが分からなくて。
.
それが、
凄くつらい。
.
.
.
.
どんどん遠くなっていく二人の傘。
.
.
雨に混じってじんわりと目頭が熱くなって、
目にどんどん沢山の想いが溜まり始める。
.
.
.
これを零しちゃったら、
もうダメな気がして、
.
.
気持ちを言ってもない私が、ここで泣いちゃうのは、
全部ダメな気がして。
カズにぃなんかより、ずっとずるい気がして。
.
.
.
.
.
.
だから、
走って、カズにぃの元へ行けば
こんな涙隠せちゃう。
.
.
.
そう思って、
.
.
.
.
「・・待ってｯ・・！」
.
.
.
.
少し離れたところにいる二人がもう一度立ち止まって、
ゆっくりふり返るのは、カズにぃ。
.
.
.
スゥっと息を思い切り吸ったのは、私。
.
.
.
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 612人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2012年5月1日 19時
