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大野先輩が発した、
"妹"
というワードが何故か妙に引っ掛かる。
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「・・そ、そうですけど。」
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掴まれた手首にグっと力が入ったのを感じた。
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「それで、どうして私が自分勝手って事になるんですか。」
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私の単純な質問に、
大野先輩の眼はとても冷たく笑う。
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智「逆に、Aちゃんはどうして
自分が自分勝手じゃないと思えるの？」
「・・え・・」
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どういうこと？
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大野先輩、意味が分からない。
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「だって・・、」
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「いつも思わせぶりな態度で・・」
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「平気な顔で、何も言わずに朝帰りして―・・」
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「私の反応見て笑って・・」
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「だから・・自分勝手・・」
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大野先輩の手、痛い。
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智「それじゃあ、まるでAちゃんがニノの"彼女"みたいだね。」
「何言って・・」
智「"妹"なのに、言ってる事がまるで"彼女"だよ？」
「そんなことっ・・」
智「じゃあ、"妹"が居るからって、ニノは朝帰りしちゃダメ？」
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大野先輩・・
別の人みたい。
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何ていうのかな・・
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なんだか、
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ちょっと、
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怖い。
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「だ、だって待ってる人の気持ち分かってるクセに・・ｯ」
智「ほら、それ。ちょっと自分勝手過ぎるんじゃないかなぁ。」
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ヤダ
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大野先輩の言ってること
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怖い。
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「な、・・何が言いたいんですかっ・・」
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全部、
見透かされてそうで、
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怖い・・。
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作成日時：2012年5月1日 19時
