カジノD,D (ページ8)

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sk「えぇ俺のせいなんでやすんか～？」
ab「やめてください、佐久間は……ディーラーは、あくまで平等にこのゲームを回していますよ？それは、ディーラーの信用に関わることですので」
　ギッと睨まれた佐久間が軽く会釈する。そうだ、佐久間はなにもしていない……ただ、ちょっとした阿部のテクニックに「気づいてない」だけだ。
ab「お客様、まだ賭けるコインは残っています、が、この勝負、降りますか？」
「こ、ここまできて、引き下がれる訳ないだろう！！！」
ab「あぁ、言ってしまいましたね、最後のチャンスだったのに……佐久間、配って」
sk「はいよ～」
　再び、佐久間の手からカードが配られていく、五枚のカード。……そして男は、自分に配られたカードをみて、ほくそ笑んだ。ストレートフラッシュである。これに勝てるのは、「一手」のみ。だが、この役以上に、それが出てくる確率は少ないだろう。これで逆転だ。大丈夫だ、勝てるはずだ。
「レイズだ！！会社の資産のみならず、俺の命も捧げよう！！」
ab「よほどいいカードが出そろったようですね、では、コールで？」
「当然だ！！！」
　みろ、とばかりにカードを叩きつける。阿部は、再び顔を上げて、寂しそうに微笑む。
ab「いつか、幸せになれるといいですね」
　それが、最後の言葉だった。あくまで静かに、滑らかに阿部の指先がテーブルとトランプの上をなぞる。
ab「ロイヤルストレートフラッシュ」
　深澤はひと際盛り上がる観衆の中、一人静かに指先で通信機をなぞる。
fk「照、みてたろ、終わったよ、後はあいつしょっぴいといて。どうせ、抵抗する気力もないんだろうけどさ」

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