夢の扉が開いたようです (ページ5)

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とし…みつ…！？

『あ、何か忘れ物ですか？』

自分の周りをきょろきょろと見渡しても、特に忘れ物のようなものは見つからない

「あ、違う違う。こんなこと急に言うと不審がられるとは思うんだけどさ」

私の頭にはてなマークが浮かぶ

「LINE…教えてくれない？」

『……え…？』

LINE…？

「いや、そういう意味じゃなくて…、動画で顔出てないってこととか、こんな感じになったからプライバシー的には大丈夫とかそういう…業務連絡？みたいな感じをさせてもらいたくて」

そりゃそうだよね…

プライベートでLINEを聞いてくるわけがない

『分かりました！』

そう言ってスマホを取り出しLINEを開く

QRを読み取ると、私の画面に【としみつ】と表示された

「ありがと。あれ、友達は？」

『今トイレに行ってて』

「あ～、そうなんだ。ごめんね、旅行の邪魔して」

『いやいや！すごく楽しかったです。ありがとうございました』

「…こっちこそありがとう。今日はどこから来たの？」

『京都です』

「へ～、京都出身なんだ！」

『あ、今大学生なので京都で一人暮らししてるだけで！出身じゃないんです』

「そうなんだ。…ごめん、めっちゃプライベートな事聞いたわ」

『全然大丈夫ですよ！』

「代わりに俺らの地元教えるとね、愛知の岡崎ってとこ。知ってる？」

『愛知なんですね！すごい、都会ですねぇ』

「岡崎はそんなことないよ～？旅行で来ることあったら案内するわ」

としみつが笑いながらそう言った

『その時はお願いします』

どう考えても社交辞令だけど、こういう会話ができることがすごく嬉しかった

「あ、友達戻ってきた。俺も戻るわ。…じゃあ旅行楽しんでね」

『ありがとうございます！…としみつさんも…これからも頑張ってください！』

「ん、ありがと」

彼が店を出ていく後ろ姿をずっと目で追ってしまっていた

「…YouTuberの人？なんかあったの？」

『あ……、忘れ物したみたいで』

LINEを交換したなんて言ったら、心配性のこの子はきっと「早くブロックした方がいい！」と言うだろうから、内緒にしておこう

『だいぶ涼んだし、次のとこ行こっか』

「そだね～。行くかぁ！」

その後、いろんな観光地に行き、夜にホテルに着いた