door 20 ページ21
話すだけ……話すか…
「………私はただの視聴者だって言われたんだよ」
「Aちゃんが?」
「そうだよ。そう言われたらもう何も言えねぇじゃん。俺らとは距離を一線おいときたいってことなんだろうなって思ったんだよ」
なんでこんなこと……こいつらに…
「まぁ…確かにそう聞こえるっちゃ聞こえるか…」
ゆめまるが手を頬に添えながら言った
「それでお前帰ってきたの?」
「そーだよ」
「としみつ馬鹿じゃ〜ん!」
虫眼鏡がうなだれながら言った
虫さんの言い方、腹立つ……他人事だと思って…
「なんてここで逃げちゃうの?初めてAちゃんに会った時、視聴者さんだから諦めるって言ってたのにやっぱ諦められなくて連絡先聞きに行ったじゃん。ここで諦めるって馬鹿過ぎない?」
そりゃ……そうかもしれないけど…
「てか、Aちゃんはただの視聴者さんじゃなくない?もう俺らにとっても友達っていうか…妹みたいなもんじゃん。だから俺らは距離置きたいとは思ってないし、としみつもだろ?」
「まぁ…」
「Aちゃんがどう思ってるかは分かんないけどさ、俺らはもう受け入れてるし。ここで諦めるのはちょっと違くね?」
「…………」
受け入れてる…か…
今日みたいにAちゃんが隣にいてくれるのが当たり前になって欲しい…
そう思ってる時点で諦めきれてないんだろうな…
「………明日、頑張ってみるわ」
「やっぱとしみつはそうじゃないとな〜」
りょうが笑ってそう言った
やっぱ……こいつらに話してよかったな…
ーーーーー
次の日は、夕方の電車で帰ることになっていた
午前中から昼過ぎにかけては撮影があったため、Aちゃんには昨日のうちに、電車の時間より少し前に会っておきたいと伝えておいた
約束の時間が近ずいてくる
いつもより、撮影には集中出来ていなかったかもしれない
「……ちょっと行ってくるわ」
「おう」
みんなに背中を叩かれて、俺はみんなよりも先に駅に向かった
「Aちゃん」
『あ、こんにちは』
駅の近くだからか人は思ったよりも多くて、少し焦った
「呼び出してごめん。用事とかなかった?」
『大丈夫ですよ!』
こんな無駄な話してる場合じゃないんだよ…もう、言うしかねぇ…!
「あのさ……付き合ってくれないかな」
そう伝えると、彼女は
笑った
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サヤマメ(プロフ) - ともみさん» ありがとうございます!更新頑張ります!!! (2019年9月15日 0時) (レス) id: aba8bc13a7 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2019年9月14日 1時) (レス) id: a1d30aa169 (このIDを非表示/違反報告)
サヤマメ(プロフ) - みななさん» ありがとうございます!どんどん更新していこうと思います! (2019年7月14日 12時) (レス) id: aba8bc13a7 (このIDを非表示/違反報告)
みなな - すごく面白いです!! 早く次だしてほしいです!! (2019年7月14日 4時) (レス) id: 9964bebab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤマメ | 作成日時:2019年7月14日 1時