夢の扉が開いたようです (ページ11)

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「おっと…」

倒れそうになった私を受け止めてくれたのはてつやだった

「大丈夫？あ、荷物思いでしょ。持つわ」

そう言ってヒョイッと荷物を持ってくれた

『すみません…。でも大丈夫ですよ？』

「いいからいいから」

としみつの方を見ると、まいと話していて、盛り上がっているように見えた

ああやって、素直にファンだって伝えた方がやっぱり良かったよな…

嘘をついてしまったことを、とても後悔した

「でもこんな風に仲良くなるって珍しいね。てつやのお気に入り？」

「俺の妹ってことにしよ」

笑いながら話している2人は、本当に仲が良くて、つい私まで笑ってしまう

しばらく2人と話していると、少し離れたところから

「ねぇ、あれっててつやじゃない？」

「その横、りょうととしみつじゃん！声かけてみよ！」

という声が聞こえてきた

東海オンエアの視聴者さんだろう

『私…もう行きますね。視聴者さんがみなさんに気づいたと思うので。ありがとうございました！』

私はその場からササッと離れ、1人で空港内をブラブラ見て回ることにした

まいともはぐれちゃったな…LINEしてみるか…

【今どこ？】

その文字はなかなか既読にならなかった

まだ…としみつと話してるのかな…

視聴者さんがいるからって離れなければよかった…

あの場に大勢人が集まったら迷惑になると思って離れたけど…まいみたいに…あの場にいればよかった

ショックを受けながらも歩いていると、荷物をてつやに持ってもらったままになっていることに気づいた

『やば…！どうしよ…』

さっきまで話していた所に戻ってみたが、もう誰もいなかった

てつやのLINEなんて知らないし…どうしよ…

その時【てつやが荷物返し忘れて、まだ持ってる！どこにいる？】ととしみつからのLINEが来た

【すみません！私がそちらに行きますよ！】

人が多いところだとまたバレてしまうかもしれないということで、人が少なそうなトイレ近くに集まることになった

『すみません…！』

受け取りに行くと、そこにはとしみつ1人だけだった

「全然。はい、重いけど気をつけてね」

『ありがとうございます』

「企画で…選んでくれて嬉しかったわ」

『え……』

今の私の頬は、きっと紅く染ってるに違いない