Un agne 10 ページ10
ギィーと扉を開けて中に入った
私は既に来ていた六郎くんの隣に座る
『じゃあ頑張ってくださいね』
「得に頑張ることは無い」
せっかく応援してあげたのに……無愛想男め
しばらくすると裁判が始まった
烏田さんの質問にも無愛想に答えていく
『あれじゃちょっとね……』
「そうですよね……」
小声で六郎くんと話す
「先日これが凶器に間違いないと仰った草野教授は15000件の解剖実績をお持ちでした。それに比べるとかなり少ないような」
解剖実績……数が多ければ正しいという訳でもないのに……
｢カビの生えた経験が何になる？そんなくだらない数字より目の前の鑑定結果を見ろ。それが全てだ｣
口は悪いけど……よく言った！
そう思ったのもつかの間
「知らないようだから教えてやる。解剖で使うハサミは切れなくなったら捨てて新しいものに変える。解剖で使うメスは刃の部分が替え刃になっていて、切れなくなったら新しいものに変える。解剖医によって気に入りのメスがあってな。俺はドイツ製が好みだが」
『いやいや、無駄話するなとか言われるでしょ』
そう言った瞬間
「裁判長、証人の無駄話をやめさせてください」
『Aさん預言者ですか……？』
六郎くんが笑いながら言った
『ふふっ。かもね』
「使われた凶器の元素分析原因を特定したら合研だった。それは京の料理人が包丁を研ぐ時に使う最高の砥石。セラミックの包丁は合砥では研げない。解剖器具は刃を研がない。残された可能性は一つ。真の凶器は合砥で手入れをされたステンレスの包丁……以上だ」
中堂さんはそう言い放ち扉の方へ向かう
本当に勝手な人だ……
『六郎くん。私はちょっと中堂さんと行ってくる』
そっと立ち上がろうとすると
「俺は殺して……ない」
容疑をかけられていた桜小路要一がそう呟き、妻の弟に目をやった
「ブロガーの弟は……京料理職人だったよね」
桜小路の疑いが晴れ弟が真犯人だとわかった
「ありがとうございました！」
桜小路は扉へ歩く中堂に声をかけた
「ふさけるな。お前が女は嫌だとクソ小せぇこと言うから俺が駆り出されたんだ。人なんて皮を剥げば全員肉の塊だ。死ねば分かる」
そう言って出ていった
『皮を剥げば全員肉の塊……』
慌てて中堂さんの後を追った
『中堂さん、お疲れ様でした』
そう後ろから声をかけた
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サヤマメ(プロフ) - 少女 A.さん» 見返しましたら、ダイニングになってました(汗)教えてくださりありがとうございます！訂正しておきます！ (2019年1月7日 17時) (
レス) id: aba8bc13a7 (このIDを非表示/違反報告)
少女 A.(プロフ) - ダイニングメッセージじゃなくてダイイングメッセージですね (2019年1月7日 17時) (レス) id: 8c31f8567a (このIDを非表示/違反報告)
サヤマメ(プロフ) - ラミンさん» これからの展開は既に決まっていますが、ここでお伝えしちゃうとネタバレになっちゃうので...すみません！ (2018年12月4日 17時) (レス) id: aba8bc13a7 (このIDを非表示/違反報告)
ラミン(プロフ) - 中堂さんと夢主は結ばれるの？ (2018年12月4日 9時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
ラミン(プロフ) - 久部くんが中堂さんに本当の事を包み隠さず言うのは？どうかな？ (2018年12月4日 8時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヤマメ | 作成日時：2018年10月14日 16時
