検索窓
今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:44,936 hit

ページ12

「センラさん、あの白いの綺麗です!」


白く輝くハートのイルミネーションに向かって一歩踏み出した瞬間、繋いでいた手を強くひっぱられた。


「白は、だめ」


「え?」


ひっぱられた方向に体が傾き、センラさんと一瞬目が合ったあと……唇に、柔らかい何かが触れた。

ふに、という、何処かで覚えのある感触と、ほのかなぬくもり。


「あ……ごめん、Aが可愛すぎて、キスしてしもたわ」


センラさんは少しだけ恥ずかしそうに頬を赤く染めて、何処か上の空な状態でそう言った。

センラさんに、キス、されちゃっ、た。


「おーい、大丈夫?顔、真っ赤やで?」


「ば、ばっ、か……突然しないでくださいっ……!」


「ごめんごめん……」


突然の出来事に驚きを隠せなくて、心臓が弾けてしまうんじゃないかと思うほど強く脈打っている。

なんで、いきなり。どうして、今。

キスをしてもらったという喜びを噛み締められないほど、頭の中はパニックに陥っていた。

それでも「記憶失う前はよくしとったから、許して?」とセンラさん甘えるような声で言われてしまえば、頭の中はセンラさんでいっぱいになって。


「許します…」


そう、真っ赤な顔で頷いた。

心拍数はまだまだ速い状態だろう。


「じゃ、あっちまで行ってみよか」


センラさんが一度手を離して、もう1度繋いだから。


「センラさん、手……」


「い、嫌やった?」


嫌なわけがない。

センラさんはさっきまでの普通の繋ぎ方じゃなくて、恋人繋ぎと呼ばれるやつに変えてくれた。

それが嬉しくて仕方なくて、少し口元が緩んでしまう。


「嫌なわけ、ないです。このままでお願いします」


「ん。人多いから、はぐれんようにね」


そう言って優しくはにかんだセンラさんの耳は真っ赤だ。

その耳が赤いことが寒さのせいだけじゃないってことくらい、私にもわかる。

愛おしさが胸いっぱいに広がって舞い上がっていたからか、数多くのイルミネーションゆっくりと歩いていく中で、センラさんが白いイルミネーションを避けていくことに、なんの疑問も抱かなかった。

*5日目...衣装交換→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (121 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
445人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , センラ , 浦島坂田船
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやね(プロフ) - センラさんの執事姿想像して死にそうです。9月からまた更新待ってます!! (2021年9月1日 17時) (レス) id: e7f1d7c7f6 (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 夢主ちゃん可愛すぎ…!!執事センラさん絶対かっこいい(確信)(ツイッターでもリプしたさとうだよ) (2019年5月25日 20時) (レス) id: be458f5802 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほわいとふぃっしゅ | 作成日時:2018年12月31日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。