1日 ページ3
気が付いた時には、
もう遅かった。
「この…！！」
『っ…』
頬に広がるピリピリとした痛み
目を落とせば腹に広がる青黒いもの
足に点在する醜く歪んだ火傷の跡
「アンタが悪いのよ！アンタみたいな悪魔なんて産まなければ…！」
『……………。』
そう言ってまた頬を叩く女
私がこの世に誕生した時、
何故かはっきりと意識があった。
この女の言っている意味も分かった。
側に居た男の言葉も分かった。
女の持っていた雑誌の文字も読めた。
力さえあれば同じ事が書けるとも思った。
＿＿＿＿＿転生した
そう本能が言っていた。
他は何も分からなかったけれど、
女の微笑みは何だか心地よかった。
けど、私が産まれて直ぐに
男は女の前から消えてしまった。
【子供の面倒を見る気は無い】
との書き置きを残して＿＿＿
それからだ。
女はおかしくなって行った。
女は顔に色んな色を塗って、
家から出て行く事が多くなった。
知らない男があの女と帰って来た、
私の存在を知るや否や帰って行った。
その夜はご飯は無かった。
勝手に食べようとして怒られた。
その内に空腹感がわからなくなった。
ご飯は不味いものだと知った。
女の投げたものが当たった。
痛くて目から水が出てきた。
その内に水は出なくなった。
泣いてもそれは無駄だと知った。
でも、本はたくさんあった。
たくさん色んなものを読んだ。
だって怒られなかったから。
静かに本を読んでいれば怒られなかった。
でも本は嘘つきだった。
“頭を撫でる母”の存在も
“抱きしめる父”の存在も
何処にも居ないから。
私にあるのは、
殴ったり、蹴ったり、叩いたり、怒ったり、切ったり、投げたり、刺したり、睨んだり、壊したり、追い出したり、無視したり
そんなことをする女だけ
これが日常
私の、日常
私の、4歳の記憶
.
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2022年10月5日 16時) (
レス) id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - 面白いです！更新楽しみに待ってます(*´∀｀) (2019年3月24日 2時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影草 | 作成日時：2018年6月6日 22時
