あいについて4 ページ32
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回想を終え、ユリウスは自身に縋るように泣くAの頭を撫でながら
話しかける
ユリウス「A」
貴方「…はい…」
嗚咽交じりの返事に、ユリウスは小さく微笑んだ
ぽつりぽつりと彼は話しだす
ユリウス「昔、君に言った…「君が元気に育ってくれれば」の話なんだけど…」
ユリウス「もう、君は16歳…元気に育ってくれて…私は嬉しいよ。」
彼の言葉にAは頭をこくりこくりと頷きながら聞く
最初に会った時は野良猫のような子で長い間過ごしていくと、懐いた猫のようだった
きっと、これからもこの関係は続くのだとユリウスは思っている
血は繋がってはいないけれど、思い出は2人を家族だと物語っているのなら
ユリウス「君は私の大事な家族だよ。」
貴方「…私も…先生が大事な家族です…。」
返答された言葉にユリウスは小さかった微笑みが大きくなった
涙が収まったAは一言彼に謝り、この部屋に入って来た時、扉の前に向かって立ち上がり歩き出す
彼女が扉の前に立ったのと同時に彼は彼女の名を呼んだ
ユリウス「A」
貴方「…?」
名前を呼ばれ振り返ると温和な笑みを浮かべて
ユリウス「行ってらっしゃい」
貴方「…!はい…行ってきます。」
彼の言葉を返し彼女は出て行った
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作者名:菊春 | 作成日時:2021年11月20日 13時