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第弐拾話 ページ21

竈門「鬼が店で働いていたり巧妙に人間のふりをしていればいるほど人を殺すのには慎重になる、バレないように」

嘴平「そうか…殺人の後始末には手間が掛かる、血痕は簡単には消せねぇしな」

竈門「ここは夜の街だ、鬼には都合が良いことも多いが都合の悪いことも多い

夜は仕事しなきゃならない、いないと不審に思われる

俺は善逸も宇随さんの奥さん達も皆生きてると思う、そのつもりで行動する

必ず助け出す、伊之助にもそのつもりで行動して欲しい そして絶対に死なないで欲しい

それで良いか?」


伝えたいことは一通り伝えたつもりだ

どうだろうか、納得してくれるかな?


嘴平「……お前が言ったことは全部な

今俺が言おうとしてたことだぜ!!」





殆ど陽が落ちかけてきた

夜になる……鬼の時間

鬼の気配を探りつつ、怪しい店を回ろう

きっといる筈だ

どこだ、どこにいる


「!宇随さん!!」

宇随「月詠か、俺は切見世へ行ってくる
お前は京極屋の蕨姫という花魁を捜せ

ソイツが鬼…おそらく上弦だ油断するなよ」

「了解」


……どのみちケリはつけるさ




竈門side

鯉夏さんの部屋に入り

お金が入った封筒を差し出す


竈門「鯉夏さん 不躾に申し訳ありません
俺は"ときと屋"を出ます

お世話になった間の食事代などを旦那さん達に渡していただけませんか?」

鯉夏「炭ちゃん…その格好は…」

竈門「訳あって女性の姿でしたが、俺は男なんです」

鯉夏「あ、それは知ってるわ 見れば分かるし…声も」

竈門「えっ?」

鯉夏「男の子だっていうのは最初から分かってたの、何してるのかなって思ってはいたんだけど……」


まさかバレていたとは……

鯉夏さんスゴいな……


鯉夏「事情があるのよね?須磨ちゃんを心配してたのは本当よね?」

竈門「はい!それは勿論です!嘘ではありません!

いなくなった人たちは必ず助け出します」

鯉夏「……ありがとう少し安心できたわ
私ね……明日にはこの街を出ていくのよ」

竈門「そうなんですか!!それは嬉しいことですね」

鯉夏「こんな私でも奥さんにしてくれる人がいて…今本当に幸せなの

でも…だからこそ残していく皆のことが心配でたまらなかった

嫌な感じのする出来事があっても私には調べる術すらない……」

竈門「それは当然です、どうか気にしないで
笑顔でいてください」

鯉夏「……私はあなたにもいなくなってほしくないのよ 炭ちゃん」

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作者名:射命丸紫 | 作成日時:2017年12月19日 18時

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