４ ページ4
みんなが騒いでる声が、
どこか遠くに感じる。
二人きりの時間・・・
お互いに無言で、
胸の音だけが、響いてる。
こんなに爆音で鳴り続けてたら、
心臓、壊れるわ。
ジャーの蓋を、きゅっと締めてから。
丸山くんが、私の方を向き直る。
もしや、おっきな手をじっと見てたの、
ばれてしまったんだろうか。
気まずい・・・
いつも通りって、どうだったっけ。
話題が見つからない。
沈黙を破ったのは、丸山くんの方。
「Aちゃん、
さっきの話って、
本心？」
「さっきって？」
「男友達から恋愛に発展する可能性の話。
そりゃあ大ありでしょ、言うてたやろ？」
「そ、そんな言い方、してましたっけ？」
あんまり覚えてないけど、
本音ではある。
この友情が成長した姿が、
恋愛だといいな、と願ってる。
「しとったやん。
なんか、もやった」
「もやった・・・？」
どういう意味？
聞き返そうとした時、
「すいませぇん。
そろそろお開きなんで、
私、洗い物しちゃいますね〜」
甘く甲高い声と共に。
空いたグラスやら、
たくさん抱えた美郷ちゃんが、
キッチンに入って来た。
二人きりの時間は、呆気なくおしまい。
「Aさん、まだたくさんあったので、
リビングの片付け、お願いしていいですか？
ここ、私と丸山先生でやっておくんで」
美郷ちゃんのうるうるの目から、
丸山先生に向かって、
ハートが飛んでるのが、見える。
笑い皺ひとつないお肌が眩しくて、
くらっくらするわ。
敢えなく、すごすごと退散してきた私に。
「何やっとんねん。
チャンスやったやろ、今」
大倉に呆れられた。
「仕方ないじゃん、
凄腕女子が乱入してきたんだから」
ひそりそ、内緒話。
さすがに、
この歳で片想いしてるなんて、
大倉以外の人には、恥ずかしくて言えない。
「どんくっさ」
大倉は、丸山くんとは、
中学時代からの古い付き合いらしい。
それでも、
丸山くんの彼女関係全く知らないって言う。
もしやだけど、ゲイだったらどうしよう。
あり得るから、なんとも言えないわ。
今度はみんなで花見でもしようって、約束して。
丸山くんの部屋を出て来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 途中ハラハラしましたけど、最後は主人公ちゃんが幸せそうで良かったです、ありがとうございました♪ (2020年9月25日 2時) (
レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 優しいマルちゃん全開でしたねー！大倉くんはかっこよかったし！！！、、、今は心配ですが、、。とにかく完結までお疲れ様でした！最後まで書いてくださりありがとうございました！★ (2020年9月25日 0時) (レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
ちえっち(プロフ) - foolさんお疲れ様様でした！沢山楽しませて頂きました^ ^更新される度にワクワク・ヒヤヒヤで(笑)ハッピーエンドで私も幸せな気持ちになりました(*^^*)私foolさんのお話大好きです！また楽しませて頂ければ嬉しいです^ ^が、一先ずは本当にお疲れ様でした！ (2020年9月24日 17時) (レス) id: 1ce7c64885 (このIDを非表示/違反報告)
丸まる(プロフ) - 更新、有難うございます！ 丸ちゃん・・・幸せになって笑って欲しい。続きを楽しみにしています♪ (2020年9月6日 19時) (レス) id: a153ec6e2b (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - ああ、大倉くんに流れてしまいそうです……。続きが楽しみです。 (2020年9月6日 2時) (レス) id: 8d5c06a381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年12月25日 10時
