４０ ページ40
「渋谷課長って、
なんだかんだ秘密主義ですよね」
「あほっか。
大人はペラペラ喋らんねん。
それよりお前はどうやねん。
Aさんとデートちゃうんか？」
「今日、雨やし。
それに・・・
Aはやっぱり、
俺じゃあかんのかなて。
村上支店長やないと・・・」
「何、弱気になっとんねん。
ここで引いてどないするねん」
「けど・・・」
話してるうちに、
支店長室から村上支店長が出て来て。
驚いた、なんてもんやなくて。
「ヒナ、また休日出勤か。
たまには休めよ」
渋谷課長が声かけた。
「雨で接待ゴルフ中止になったからな。
書類に目ぇ通しておこ思て。
もう帰るわ。
Aに呼び出されてるねん。
相談あるらしいわ」
なんで俺の前で、
Aの名前・・・
宣戦布告としか、思われへん。
「ヒナ、お前、不倫はあかんで」
冗談めかして、
渋谷課長が言うたら、
村上支店長の目の色、さっと変わってん。
見逃されへんかった・・・
「そんなんとちゃうわ。
相談は、高崎のことやと思う。
A、相当、思い詰めとるみたいで、
心配やから」
村上支店長が背中を向けた時、
電話が鳴った。
「お、Aや。
もしもし？今、終わったで。
ヴィオレ？
分かった。
お前、あの店、好きやなあ。
すぐ向かうわ」
割と近くのバーの名前。
そこで、二人で飲むん？
「じゃあな。
お疲れさん」
村上支店長が、
軽く手を挙げて、
銀行を出てった。
呆然としたまんま、見送ってる俺の肩、
渋谷課長が叩いてくる。
「オークラ、
はよ行けって。
あいつら、不倫に突っ走ってまうやろ」
「俺が邪魔したかて・・・」
おんなじや。
カラダ重ねたら、
気持ちも、俺の方向いてくれる、って。
思い上がりやったんかな。
あん夜のAは、
何もかも委ねて、
俺だけを見つめてくれてた。
確かに感じたのに。
奥さんおっても、
子供が出来ても、
Aだけを見てる俺よりも、
村上支店長の方がええん？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 甘々な大倉さんもおちゃめな渋谷さんも、とっても素敵でした(///∇///) めっちゃキュンキュンしました、ありがとうございました♪ (2019年6月7日 18時) (
レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 甘々な大倉くん、堪能させていただきありがとうございました！終わってしまって寂しい、、皆さんもおっしゃってますが、渋谷課長も最高でした！☆ (2019年6月7日 14時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - お話はもう夏の終わりでしたが、実際は梅雨前のジメジメした雨の日、でも爽やかな風が吹いたようなfoolマジックにかかりました。ちょこちょこいい奴の渋谷課長好きでしたありがとうございます。甘々のおーくらのチキンな感じも癒されました。次作誰がいいかな？ (2019年6月7日 13時) (レス) id: 4322b64262 (このIDを非表示/違反報告)
ナツキ - 神ちゃんで読みたいです^_^ (2019年6月7日 0時) (レス) id: 871c82ebc0 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - 空恋はヤスがいいなぁ｡ (2019年6月6日 23時) (レス) id: 2b97de42d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年5月25日 8時
