【募集企画】東方幻想記録物語 22巻 (ページ29)

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博麗神社という場所レイカページ29

レイカ・クリムゾンは、大決闘祭の観客席から離れ、状況判断の名目でぶらぶらと幻想郷内を歩き回っていた。因みに莉桜とはもう別れている。

(…現状私はこの世界…幻想郷の事…そして自身の事を理解できていない…。誰か知っている人に聞かなくてはならないが…ここが自身に歓迎的でない場所の可能性もある…とはいえ…別世界であると言う事以外の情報が落ちていないとなるとまずいな…。)

考えながら歩くレイカ。
―だが周りに人はいない。それもそのはず。この周りには道しかない。

「…こんな事ならさっきの集落のような場所で調査をするべきだったか…。」

とレイカが後悔していると…

「…これは…。」

レイカの目の前にあったのは、石段。そしてその先にある建物だった。

「これは…何だ…？」

とはいえ、聞き込みをするにはここしかない。
レイカは意を決して石段を上っていくのだった。

―――――――――

暫くして―
レイカは石段を上り切り、周りを見た。

「何だ…この建造物は…」

レイカは周囲を警戒してナイフを取り出す。
神社を知らないレイカにとっては警戒せざるを得ない状況であった。
…と…。

「ん…？」

レイカの目に、倒れている二人の少女の姿が入った。

「何っ！？」

ナイフを仕舞い思わず駆け寄り二人の体をゆするレイカ。

「おい、大丈夫か！？」
「は…はい…。」
「何とか…。」

二人の声が聞こえた。

(…どうやら疲労によって倒れているようだな…。)
「よし、立てるか？」
「すいません…疲れて立てそうにありません…。」
「わ…我もじゃ…。」

レイカはそれを聞き、ポーチから水筒とタオルを取り出す。
そして、水筒の水をタオルにかけ、そのタオルで二人の体を冷やし始めた。

「あ…ありがとうございます…」
「あ”ー…生き返るのう…。」

どうやら疲労状態の二人には効果てきめんだったようだ。

「…さて…。」

レイカは続いて二人を無理のない体制で座らせる。
この一連の動きはサバイバル訓練によって身に着けたもので、かなり手馴れた手つきで行われていた。

「…大丈夫か…？」
「ああ…ありがとうございます…」
「恩に着るぞ…。」

レイカは立ち上がり、周囲を見渡す。と、レイカの目にとあるものが映った。

「…"博麗神社"…？」

―今、レイカはこの幻想郷に於いて重要な役割を果たす場所へと降り立ったのである。