第二戦:急転 憂梦 ページ48
滅茶苦茶な太刀筋が、仇となった。
感覚のみで振り回される刃の剣筋を見切るのは、不可能では無いが困難だ。それに加えて相手が威力の高い攻撃を繰り出してくるとなれば―状況は芳しくないだろう。
「斬撃『烈風破斬』!」
巨大なエネルギーで生成された刃が振り下ろされる。流石に相殺は得策では無いだろう。
地面を転がりつつ避け、相手の後ろに回り込む。と、その時―
目にも止まらぬ早さで、剣城がこちらに向けてビームランチャーを構えた。
「なっ…!」
「くらえ!射撃『ウインドバスター』!」
某マスタースパークを凌駕する程の太さのレーザーがこちらに放たれる。
逃げ場はない、被弾は免れない…そう、誰もが思っていた―
ザンッ!!!
レーザーの発射音ごと切り裂くような、鋭い音が舞台中に響いた。
煙が晴れると同時に、観客席から騒めきが聞こえる。
全員が―レーザーを真っ二つに切斬った、私に驚愕していた。
「おい、マジかよ…!?このスペルを斬るなんて…!」
「剣の道を極めれば、ありとあらゆるものを斬れるようになる。光もその一つです」
淡々と言い放つ。しかし、対戦相手は尚も折れなかった。
「…はは…やっぱすげぇな。今の俺なんかじゃ、敵いっこない。…でも…」
剣城は、剣に霊力を貯めつつ言い放った。
「いつか絶対に、お前を超えるくらい強くなって見せる!斬撃『烈風一閃・クアッド』!!!」
並の人間では捉えられないであろう速さで、相手が私に突進している。一巡目を受け流し、そこからは相手との純粋な斬り合いだった。
―不屈の精神。
如何なる強大な相手だろうと負けず、刃を振るい続ける。
『もし超えられない壁なら…俺はそれをぶっ壊して貫く!もしそれが宿命であっても、最後まで俺は戦う!』
第六戦目の剣城の言葉が脳内を反響する。
己を奮い立たせ、何処までも刃を振るい続ける―なんと尊き精神だろうか。
ならば…
「此方も全力で相手しなければ…不作法と言うもの」
シュンッ!
私が剣を振った瞬間は、何も起きない。だが、3秒後に空中から出てきた大量の斬撃が剣城に向かう。
「うおぉぉぉ!?そんな事出来んのかよ!?何でもありだな…!」
相手は額に汗を浮かべつつ、慌てて剣で対処する。しかし―
「隙だらけですよ!風原剣城!」
「!?」
不測の事態に陥った時、人間は誰しも隙が生まれる。
それは― 一番、生命の安全が脅かされる瞬間。
私が止めの一撃を振り下ろした、その時―
グンッ!
「ガハッ!?」
場自体が騒然とした。
―嗚呼、私は何処までも運が悪い。
忘れかけていた腕の痛みが再発する。
カチャッ
剣城の剣が擦れる音が、聞こえた―
第二戦決着: "エクスカリバー" 剣城→←やる事が多い ノルン
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フウ(プロフ) - 続編完成しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13355/】続編第一話に不満があればお願いします…! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。ついでに続編作ります! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - OKです!更新します! (2023年4月25日 21時) (レス) @page48 id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新しました!(フウさん、憂梦の扱いは容赦なく刃を振るなり手を差し伸べるなり何か別の展開にするなりお好きにどうぞ) (2023年4月25日 19時) (レス) @page48 id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新します! (2023年4月25日 19時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年4月4日 10時